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美咲推し!!
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初めてのライヴ-5

「美咲ちゃん!何で今まで一緒にやってくれなかったのよ!」
ライヴの時は呼び捨てだったのに、また"ちゃん"づけに戻った。
「カラオケに行っても、いつもチョコンと座って歌っているだけで....音をはずす事は無かったけど....香奈は知ってたの?」
歩美さんが少し興奮気味に話してた。
「はじめは美咲ちゃんの声が好きで....音もしっかりしているから....」
私はなんだか照れくさくなって
「人前で歌うのなんだか恥ずかしくって....」
「えっ?でも私が頼んだ時すぐにOKしてくれたじゃない?」
「この前やった公演の時、出来たらこういう事やってみたいって思ったから...」
「公演って何をやったの?」
「AKBのライヴを......」
「で?美咲ちゃんは誰のパートをやったの?美咲ちゃんなら歌が上手い子だろうけど...AKBで歌が上手い子って誰なの?」
「私知ってるよ!」
香奈さんが笑顔で言った。
「センターよね!美咲ちゃん!」
私は頷いて
「何で知ってるんですか?」
「友達の妹が美咲ちゃんと同じステージに立っているのよ!」
「えっ?」
「明日香って子いるでしょ!あの子に聞いたの!美咲先輩は凄いって!聞いた時は半信半疑だったけど....公演のDVDを見せて貰った時....私が知っていた美咲ちゃんとは別人みたいだったので驚いた....しかし....今日....直に見て....明日香ちゃんが言って事が納得出来た!私....本当に嬉しいよ!美咲ちゃんと一緒にステージに立てた事....これからもずっと美咲ちゃんと一緒ならいいんだけどね....」
それはムリな話だった....私を含めてみんなこのまま続けたいと思っている....しかし....就職すると時間が自由に使えなくなるだろう....だから解散という道を選んだのだった....
「明日...もう一度....みんなでステージに立てればいいのに....」
菫さんが呟いた....みんな菫さんと同じ思いだった....私は....もし投票で一番になっても、明日模試があるので出られない事を言えなかった....
「私...麻里が待っているから行くね!」
「美咲ちゃん今日は本当にありがとうね!!」
歩美さんの言葉に
「私のほうこそありがとうございます!明日ステージに立てればいいですね!!」
私はみんなと別れて麻里の所へ急いだ。



「麻里!!お待たせ!どうだった?」
麻里の所に駆け寄ると、葵ちゃんが傍に立っていた。
「あれっ?葵ちゃんも来てたの?」
「ハイッ!redを見に来てたんですけど、偶然織田さんに逢って....帰るつもりだったんですけど、帰らなくて良かったです!美咲先輩のステージを見れるなんて....最高ですよ!....美咲先輩達に投票しましたから!redを見に来た他の人達も美咲先輩達に投票してましたよ!!きっと一番になれますよ!明日また来ますね!!」
葵ちゃんは興奮気味にまくしたてた。
「あ...ありがとう....」
「私も絶対見に来るからね!」
麻里も興奮気味だった。
「申し訳ないんだけど...私明日模試があるから....出られないんだけど....」
「えっ!?」
麻里は本当に驚いていた。
「えっ?麻里は模試受けないの?」
「忘れてた.....」
「忘れてたって....前日に遊び呆けている私も人の事言えないんだけど....」
「残念だなぁ.....なんとかならないんですか?」
「模試が終わってからじゃ.....間に合わないと....それに....redだよ....明日は....」
「そんな事ありません!美咲先輩達です!明日のステージは!」
「あ....ありがとう.....」
葵ちゃんの迫力に、私は押され気味に答えた。


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