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あまこい
【学園物 官能小説】

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下校-5

 環の声で、ジュンは自分の部屋からリビングへ降りた。リビングにある食卓にはハンバーグが皿に盛りになっていた。
ジュンは唾を飲み込む。環が台所からご飯を手にリビングに入って来た。ジュンは二度、唾を飲み込んだ。

環はエプロン姿でニッコリとジュンに微笑む、が、ジュンはそんな微笑む顔よりもエプロンに目をやる。エプロン?エプロン、水着に?

ジュンはそのよく分からない環の姿にただ驚く、
環は水着にエプロン姿で、ジュンにニッコリと微笑んでいるのだ。

「何にしているんだよ、タマ姉……」

「あら、ジュン坊、こういうのダメなタイプ?」

「ダメとかじゃなくて、なんで水着?」

「だって暑いんだもん」

環はそういいながら、ご飯を食卓に乗せ、ジュンに上目遣いで言った。

「ジュン坊、私にそそられた?」

ジュンの目は、環の水着にエプロンを凝視している。白のヒラヒラのエプロンに、脇から見えるこれまた純白の水着がジュンの男性ホルモンを刺激する。
ジュンはちょっとの凝視の後、言い返した。

「そそらないよ!そそるわけないよ」

そう言いながらジュンの鼻から赤い液体が垂れ始めた。

「ジュン坊…鼻…」

環の言葉にジュンは慌てて洗面台に駆け込んだ。

「なんなんだよこれ」

洗面台の前で一人呟くジュン、真琴でも鼻血なんか出なかったのに、まさかの環の水着にエプロンで出るとは、と自問しながら、洗面台近くに置いてあるティッシュで鼻を詰めた。

ジュンが鼻を詰め、食卓に戻ると、環がなにくわぬ顔で食事をしていた。

「先に食べてるんですか」

「ムッツリのジュン坊なんか待ちません」

「タマ姉、勘違いしないでよ、僕はタマ姉を見て鼻血が出たんじゃないからね」

その言葉に環は疑いの目つきでジュンに言った。

「そう」

「僕には好きな人がいるんだ、タマ姉なんかで興奮なんかしないもん」

「レディに向かって酷いことを言うのね、そこはお世辞でも興奮したと言うべきよ」

「ごめん……」

「ジュン坊、そんな所で立ってるとご飯冷めるわよ」

ジュンは環と向かい合うように座り、食事を始めた。

「うっ……」

ジュンはハンバーグを口に入れて言葉が詰まった。環はその詰まるジュンにニタリと笑いながら言う。

「ジュン坊、ハンバーグ美味しい?」

強引に言わせようとする環にジュンは苦笑いで言った。

「美味しいです、タマ姉」

ジュンは引きつる。環はニッコリ、ジュンを見詰めた。

「何か……」

ジュンは恐る恐る聞いた。

「何も、ただ、ジュン坊が美味しく食べている所を見ているのよ」

「そう、でも、ジロジロ見られると食べにくいんだけど」

「我慢しなさい、さっお食べ」

真顔で言う環に、ジュンは不気味さを感じた。

ジュンは環にジロジロ見られながらも、ご飯をかっ込みながら食べ、途中味なんて感じなくなり、ただ腹に詰めた。
ご飯を食べ終わると、ジュンはそそくさと自分の部屋に逃げ込んだ。環は詰らなさそうにしていたが、今日のジュンは疲れていた、環におちょくられる元気は今のジュンには無かった。

 部屋に戻り、ベッドに潜り込む、ジュンはポツリと呟いた。

「好きな人いるんだ……」
 


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