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あまこい
【学園物 官能小説】

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ジュン-4

気付くと、噂話をしていた教室のドアを私は開けていた。

「あ、槙野さん……」

噂をしていたのは女子二人で、風見さんと布川さんだ。いづれも親しい娘ではない、私は意を決して言った。

「私は売春なんかしてない!もう私の噂は止めてよ」

「…………」

「…………」

二人はただ黙り、私を見詰めていた。

「私は皆が思っているような事はしていないし、お嬢様でもない、ただの田舎娘よ!私は、私は………」

やってしまった、怒りの余り、つい言ってしまった。こんなことしても何も変わらないのに、そう思うと虚しさが込上げる。

「……ごめんなさい」

私は何故か二人に謝ると教室を逃げ出した。
教室から数メートル離れた時、その教室から笑い声が聞こえた。
ああ、最悪だ。馬鹿にされた。やっぱり何も変わらない、何も………
事態は悪くなる一方だ。
私は早歩きで下駄箱に向う。
早くこの学校から出たかった。もう、この学校に居たくない。友達もいない、ただあるのは嫌がらせの噂だけ、そんな噂に私は負けて、こうして逃げている。惨めだ。早くこの学校からいなくなりたい。
こんな時、彼……ジュンはどうするんだろ、泣くのかな、それとも叫ぶのかな………
私と少し似ている彼が何故か恋しく感じる。彼を見ると一人じゃないって感じる。でも、所詮は幻影、ジュンは私と似ていないかもしれないし、私のことなんか軽蔑の対象なのだろう、

「一人か………」

滑川のことでこれから一層、私は孤独になる、一人になる。嫌だよ、一人は……寂しいよ、孤独は………
校門を出ると、私は空を見上げた。
雨でも降らないかな、そう思う。涙目の顔を雨で隠したいと思った。私は空を見上げ、泣きながら雨乞いをした。
     
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   -つづく-


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