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共犯ゲーム
【SF 官能小説】

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化粧品モニター-1

僕は我が目を疑った。
大手化粧品会社トデム社の契約モニターの採用通知が来たのだ。
就職口がなかった僕は、とりあえずアルバイトをしようと思って、男性化粧品の契約モニターに応募してみたのだ。
1年間契約の化粧品モニターで普通の会社員並みの給料が支給されるという。
書類選考の後、面接があって、その後最終選考というのがあった。
面接のときに集まったライバル達を見て僕にはまず望みがないと思った。
みんな他の人たちは格好良いのだ。
服装のセンスも良いし、清潔感あふれるし、マスクも良い。おまけに言葉使いも洗練されている。
だから僕は絶対落ちると思った。
僕は彼らとは真逆な人間だから。


そして、僕の面接の番になった。面接官は変わった質問をする。

「彼女はいますか?」
「いえ…いません。」
「彼女いない暦は?」
「生まれてからずっと…です。」

やはりこういうことを聞かれるんだろうな。
男性としての魅力の有無がポイントになるから。
僕はそう思った。

「それは何故だと思いますか?」

「僕に魅力がないからだと。
それと異性に気に入られるような積極的な努力をしなかったからだと思います。」

答えながら随分突っ込んだ質問をしてくるのものだなと思った。
だが、質問は続いた。何故そうなのか?
それはあなたの家庭環境とどう関わって来ていると思いますか? 
などなど。随分長く質問された。
僕は途中から開き直って総て正直に答えてやった。
そうすると別室に連れて行かれて、また別の面接官が来て細かい質問を始めた。
廊下で待っていたとき、一人平均5分くらいで出て来た筈だ。
僕は30分も質問されている。そのとき、もしかして…と思ったことは確かだ。
採用する気も無い者にこんなに無駄な時間をかけるはずがない。
そして書類選考に続いて面接の2次試験が通過したことが知らされた。
最終試験の説明会場に行ったとき、面接で数百人いた応募者がわずか20人たらずになっていたのには驚いた。
そしてそのメンバーを見て、僕にも当てはまるある共通点が見えて来た。
つまり女性にもてなさそうな、野暮ったくて目立たない感じの男が圧倒的に多いのだ。
そして年齢層はばらばらだ。

 


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