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リーマックス
【SF 官能小説】

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ジュン-3

次に体位の問題だがジュンは立って近づいて来た。

『たとえばこんなのはどうですか?』

ジュンは椅子に腰掛けている私の膝の上に背中を向けたまま腰を下ろした。
ゴム毬のような彼女の大臀筋が私の左右の太腿の付け根に押し付けられた。
薄い病衣を通して私の膝に彼女の太腿の裏側が当たり生暖かい感触が伝わって来た。
そして私の膝頭や脛にも彼女の膝裏の筋やよく発達した脹脛(ふくらはぎ)が触れた。
私はその感触に危険なものを感じた。
想像していた以上にジュンの筋肉は発達していたのだ。
それとお尻の筋肉が発達しているために陰部が私の体に密着しないのだ。
そうする為には彼女の体を前傾しなければならない。
でもその姿勢を保つことは不可能である。
私は、ジュンに伝えた。

『この姿勢では、私の器官が空中に露出してしまうから、乾燥してしまうし、切れやすくなってしまいます。
それにあなたが前方に逃げ出しやすくなります。
お願いですから規定通りの形でお願いします。』

そうすると、ドアの方からノックが聞こえたので、ジュンは慌てて私の膝から降りて自分の席に戻った。
そして、声に出して返事をした。

「はい、何でしょうか?」

するとドアの向こうから若い女性の声が聞こえた。

「まだ面接で使っていますか?」
「はい、まだです。」

ジュンの返事にドアの向こうにいた女性は遠ざかって行った。
ジュンは私の方を向くとまた語りかけて来た。

『じゃあ、目を閉じてします。リーマックスさんも目を閉じてくれませんか?』

『私は、それを行うとき目も見えなくなりますし、声を出すことも出来ません。
あなたが何を言ってもはっきりは聞こえないし、返事もできません。
終わった後は見えますが、そのときはあなたはぐったりしていて、私を見る元気もないと思います。
あまりにも性的興奮が長く続くので神経が疲れてしまうのです。
それと、ロープで縛るのは変態プレーが目的ではなく、儀式が安全に行われる為のものなのです。
しっかり固定しないと、体がずれて私の細い管のような器官が引きちぎられてしまうからです。
そうすると私は死んでしまいますし、あなたの体を治せなくなります。』
『それもわかりました。ではいつどうやってしますか?』
『服装の用意ができたら、2時間ほど抜け出してもらいます。
あまり気がすすまないでしょうがモーテルとか、そういうところで行います。
その後ご自宅に連れて行ってあげます。
ですから、一旦何か口実を設けて外泊許可を貰って下さい。
そして一旦自宅に戻ってから抜け出すようにして下さい。
心で念じれば私には通じます。
それから一時的に膝が軽くなるように補助の靭帯を繋いでおきます。
外出許可が出やすいようにするためですから、無理な動きはしないで下さい。
そのために誓いのキスをします。』

私はジュンに近づくと腰を屈めて顔を近づけた。
ジュンは目を閉じた。口をしっかり結んでいるので鼻を摘まむと口を開けた。
その瞬間に唇を合わせて、命の息を吹き込んだ。
私が顔を離したとたんにドアが開いた。
 若い女性がドアの向こうに立っていて驚いている。

「あ・・・すみません。
話し声が聞こえなかったものですから、もう面接が終わっていたのかと思って・・」
「面接中って札が出ているじゃありませんか?!」

ジュンは不機嫌さを丸出しにして女性に食ってかかった。

「札を直し忘れたのかと思ったものですから、ごめんなさい。」

私は無言でその女性に目礼すると部屋を出た。
私の後に続いて部屋を出ようとしたジュンにその女性は話しかけた。

「ごめんなさい。サッカーをやっているジュンさんというのでしょ?
ボーイフレンドと面接中に二回も邪魔してしまったみたいで・・」

「違います。サッカー仲間の友達です。変に勘ぐらないで下さい。」

私は、その女性がなぜジュンのことを知っているのか不安になった。
もしかして一度目にノックした後で、誰が入室しているか看護師から聞いたのかもしれない。


そのとき背後から年配の医師らしい声とジュンが話し合っている声が聞こえた。

「ジュンちゃん、どうして手術を受けようとしないんだね。
長引くと膝がどんどん壊れて行くんだよ。」
「でも、ちょっと調子が良いので一度外泊させてください。」
「ほう・・・もしかして外泊から戻って来たとき治ってしまっているんじゃないだろうね」
「あはは・・あの週刊誌に書いてあったA子さんみたいに?
あのA子さんも先生の患者さんだったんでしょう?」
「そうだよ、そのことでまた取材されているんだ。あの記者さんにね」

そう言うと医師は面接室の入り口に立っている女性に向かって言った。

「志田さん、私はあまり時間がないので10分くらいでお願いしますよ。」

ジュンはその言葉に反応して志田という女性記者を見た。
何か聞き出そうとしていた様子に私は心の声で伝えた。

『いけない!その志田という記者と接触しては駄目だ。
これを守ってくれなければもう君とは会わない。』
『わ・・わかった。ちょっと気になったものだから、分かったから』

ジュンは病室に戻って行った。


 


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