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天狗屋物語
【SM 官能小説】

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天狗屋物語(後編)-13

―――  



 …… 様へ

ご丁寧なお誘いのメールをいただきありがとうございます。
あなた様のお写真まで送っていただき恐縮です。それに私のブログ「谷 舞子のSM小説 コー
ヒータイム」や稚拙な投稿小説を読んでいただき感謝をしております。

あなた様から突然のメールをいただき、正直言って驚いておりました。いろいろ迷っておりまし
たが、ぜひあなた様とご一緒できればと決心いたしました。あなた様が、今の私をどのように調
教し、どんな女に変えていただけるのか…日に日に心の昂ぶりを感じております。
それに素敵なSM用のプレイルームもご用意していただき楽しみにしております。

最近撮った私の写真を送らせていただきます。あなた様がほんとうに私を気に入ってくださるの
であれば、日程などご都合をお聞かせ願えないでしょうか…。

あなたの谷 舞子より



深夜の静まりかえった住宅街にある店の外では、しとしとと雨が降り出したようだ。
あれから三ヶ月がたつが、燿華という女は店にやってこなかった。女を仕置き部屋に連れ込む準
備は万全だし、何やら怪しげな責めのメニューも爺さんは考えているらしい。

以前から知り合いのSM好きの暴力団のオヤジに、この女のことを聞いたら、当時はかなり売れ
っ子の女王様だったらしい。仕置き部屋に連れ込んだら、ぜひ一発やらせてくれと言う。オレは
曖昧に返事をしたが、やることしか考えていないこのデブ男に、デリケートなSMの奥深さが、
どれほどわかっているのかオレは半信半疑だ。

ただ、この男のチンチンを一度見たことがあるが、あまりの巨根にオレは腰を抜かすほどだった。
男が自慢気に言うには、やった女で気絶しなかった奴はいないという。まあ、一度くらいは燿華
という女を抱かせて、彼女が失神する姿を見るのもいいかと思った。


雨がひどくなってきた。今夜もそろそろお開きとするか…そう思って、店のシャッターを閉める
ために椅子から立ち上がったときだった…ふと、目をやった机の上のパソコンの画面にオレは
釘付けになる。

来た…「谷 舞子」という女からのメールの返事が来たのだ。

ついにチャンスはやってきた。この女、ご丁寧に自分の写真まで送ってきている。オレは添付さ
れた写真のファイルをゆっくり開く…。


えっ…まさか…


まったく驚きだぜ。あの女だ…間違いない。写真の中の女はこの店にやってきて、古いSM雑誌
を買っていったあの女だった。あの女こそ、「谷 舞子」だったのだ。

待てよ…と言うことは…


「谷 舞子」は、「燿華」という女と同一人物なのだ。オレの心臓の鼓動がドクドクと高まり、
混乱した頭にじわじわと血がのぼっていくようだった。


オレは大声をあげて爺さんを呼んだ。


「天狗屋」の仕置き部屋も、忙しくなりそうだぜ…。


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