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THANK YOU!!
【純愛 恋愛小説】

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THANK YOU!!-5



気の済むまで笑い終えた瑞稀は、最後まで笑われた意味が解らなかった拓斗と一緒に
審判担当の先生に、倉庫管理が終えた事を報告しに行った。
報告を終えると、ちょうど5時過ぎだったので帰る事に。

瑞稀と拓斗の家は正反対の方向。
瑞稀は小学校の中から見て校門を出て左側に曲がるが、拓斗はその逆で右側に曲がる。
つまり、一緒に帰れるのは校門まで。
まあ、昇降口から校門まで結構な距離があるので話の一つ二つは盛り上がる事はできる。

「にしても、疲れたね!」
「あぁ。・・というよりお前の場合は笑い疲れだろ。あんなに笑って・・」
「ちょ、それ言わないで!思い出し笑いしちゃうから!」
「だってなぁ・・・」

拓斗の顔には、文字通り呆れた感情が出ていた。
それを隣で見た瑞稀は頬を膨らませたが、事実なので否定の言葉は出てこない。
このときばかりは、瑞稀の口からマンガのセリフを引用する言葉も出てこなかった。

「にしても、運動会が少しだけ、楽しみだな」
「・・そうだね。皆やる気満々だしね」

二人のクラスはお祭り好きが半分以上居るので、全員が否が応でも頑張られる。
それは、二人に対しても変わらない。
そんなクラスなのだが、今回残念ながら高学年で係に忙しい為、クラス対抗の競技に出られないのが唯一の無念といえる。
まぁ、来年も出られないのだが。

「皆悔しがってたよね」
「あぁ、すげえうるさかった」

うんざりとした顔でため息をつき、目を伏せる拓斗に思わず苦笑してしまう瑞稀。
そこまでに、クラス対抗の競技に出られない事を知ったクラスの反応は凄かった。
一つの授業中なのにも関わらず、隣、そのまた隣の教室まで騒ぎ声が響いたという情報もある。
幸い、近隣から苦情は来なかった。隣のクラスからは苦情が殺到したが。

「・・上手く、行くといいな」 
「・・そうだな」

二人は自然と、夕日で赤く染まり出した空を見上げて、
運動会に心を寄せた・・。





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