性そして生命-8
一気にボタンを外され、ブラジャーの上から乳房を揉まれる。
同時に首筋に下りてきた舌に耳たぶを丁寧に舐めなぞられ、思わず切ない声が漏れた。
「あぁっ……あん……」
息をつくひまもなくブラが上にずらされて、少し立ち始めている乳首へと唇が移動する。
右の乳首を吸われながら、左の乳首を指で弄られると、下半身が一気に潤んでくるのがわかった。
「あっ……はぁっ……あぁっ……あぁん……」
自慰では得られなかった満ち足りた感覚が込み上げてくる。
それと同時に、いつもの妄想のように、もっと乱暴にされたいという新たな欲望が自分の中に湧き上がってきているのがわかった。
半分脱げたワンピースを下からも捲り上げられ、パンティの上からとろけはじめている部分を揉まれる。
剃られてしまってから少し濃くなってしまったアンダーヘアが、揉まれる度にちくちくと土手を刺す。
「……もう……濡れてるわ……」
クロッチの脇から侵入してくる三田村の指。
久しぶりに触れられる喜びで、陰部がますます熱く溶け出していくのがわかった。
「……あぁ…めっちゃとろとろや……」
下着を全て剥ぎ取られ、脚をＭ字に開かれる。
はしたないほどに濡れてしまった陰部が、三田村の前に晒された。
泉のように湧き出す粘りのある液体は、震える花弁をべっとりと濡らして、既にアヌスにまで到達してしまっている。
以前の自分は羞恥心が強すぎて、三田村とセックスする時でもここまで濡れたことはなかった。
そういう意味では、慶子はあの悪夢のようなレイプによって、「女として開発された」と言えるのかもしれない。
そのことを三田村に悟られるのはたまらなく怖かったが、意思とは無関係に高まっていく劣情は、もはや自分自身では止めようがなかった。
「……今日は……敏感なんやな……」
意地悪とも取れる言葉で慶子を攻めながら、三田村は濡れた花弁を手の平でゆっくりと撫で回し始めた。
「はっ……あぁぅっ……んっ……あぁん……」
濡れた指が硬くなったクリットを掠める度に、ビリビリと電流のような刺激が子宮を締め付ける。
「ハッ……ハッ……あぁっ…………い……言わんとって……あっ……んあぁっ……う…うち……あぁぁ！………っ」
軽蔑されるのではないかという不安が、込み上げる快感とぐちゃぐちゃに混ざり合っていく。
割れ目を掻き分けて入り口を探る三田村の指に、吸い寄せられるように腰が浮いてしまう。
「……なんで？……敏感なほうが俺はええよ……」
三田村は優しい声で囁きながら、慶子のとろけた蜜壷につぷりと指を挿入した。
「あぁっ！……真ちゃ……ん……はぁっ……ああっ……あぁん……あぁあん……」
微かな痛みと、懐かしい温もりが肉襞を圧迫する。
もっと―――もっと深いのが欲しい―――。
身体が貪欲に三田村を求めていた。
「……すごいわ……慶子の中……むっちゃ熱なって……ぐいぐい絞まってんで……ほら」
「あぁっ……やぁっ……あぁんっ……はぁっ……あぁっ」
指を抜き挿しされる度に淫らな喘ぎ声を上げながら、慶子は三田村の指をうねるように締め付けた。
以前とは明らかに違う、性的成長を遂げた慶子の肉体に、三田村はかなりの驚きを感じていた。
パソコンの画面の中で、二人の中年男に犯されていた慶子の姿が頭を過ぎる。
あの二人によって慶子の身体が開発されたのは、間違いないだろう。
自分の嫉妬心から、無関係な慶子をあんな目にあわせた川瀬が憎いと思う。
しかし、開発された慶子の肉体そのものには、嫌悪感は湧いてこなかった。
拷問のようなセックスに、たとえ肉体が完全に屈服してしまったとしても、決して心まで奪われたことにはならない。
それを教えてくれたのは、紛れも無く――――藤本あいりであった。
あいりのことを思うと、胸が熱く焦がれる。
でも自分が一生をかけて守り抜くべき相手は、きっと目の前にいる慶子なのだ。
消せない傷を負ってしまったこの小さな身体を、一人の男として、ずっと大切にしてやらなければならないと思う。
貪欲に締め付けてくる慶子の膣から指をゆっくりと引き抜くと、三田村はトランクスを脱ぎ捨てて屹立したペニスを開いたラビアにあてがった。
「……はぁっ……真ちゃん……もう……挿れて……お願い……」
数ヶ月前とは別人のように成熟した慶子の肉体。
こんな風に慶子が欲望を口にすることも、以前では考えられなかったことだ。
「貞淑」という鎖から解放された慶子。
それは慶子にとって、幸か不幸か――――果たしてどちらだったのだろう？
複雑な思いを抱えながらも、三田村はその淫靡な沼に硬くなった肉杭をゆっくりと埋めていった。