罰ゲーム 後編-6
あんなにみっともなく情けない姿を晒したというのに、この男からは、自分に対する軽蔑や嫌悪感は全く伝わってこない。
全てを受け入れ、包みこむような大きなぬくもりに、あいりは思わず泣きそうになった。
……きっとそう……。
間違い……ない……。
この人こそは―――――。
「……三田村……くん……」
思わず口をついて出たその言葉に無言のまま答えるように、男があいりの両脚を大きくM字型に開いた。
「……あぁっ……」
いやらしく濡れた陰部を憧れの三田村に見られている―――。
薬の作用か、その状況だけで異常なほど感じてしまう。
興奮で新たに溢れ出してきた愛液が、タラリとじゅうたんの上に滴り落ちた瞬間、男の指先がラビアの表面をぬるっと撫で回した。
「……あぁっ……んんっ……」
ずっと待ち望んでいた愛しい男からの愛撫に、あいりの肉体は切なく打ち震える。
もっと……
もっと激しく……
もっと……
いやらしく………して。
痴女のような浅ましい自分に強烈な羞恥を感じながらも、今日限りの交わりに後悔を残したくないという思いが、あいりをいつも以上に大胆にさせていた。
「……お願い……中も…触って………」
その淫靡な囁きに誘われるように、男の指があいりの中にゆっくりと入ってくる。
「………あ……んんっ…ううん……」
傷つき擦り切れているはずの陰裂は、不思議なくらい痛みを感じなかった。
男の指は、あいりの肉体を本能的に知っているかのように、欲しいと思う場所に欲しいと思う刺激を的確に与えてくる。
『あいりちゃんのエエトコは……ココと…ココと……ココやろ……?』
三田村にそう言われているような気がして、あいりはそのスポットを次々と刺激されるたびにか細い喘ぎ声を漏らした。
この人とはきっとセックスの相性がいいに違いない……。
愛撫のやり方だけで、ハッキリとそう感じる。
「……もう…きて……」
はしたないと思いながらも、あいりは自ら挿入を促す言葉を口にしていた。
坂田や上野にまた身体中を弄りまわされる前に、早く三田村と繋がりたい―――。
この一瞬だけは、全てを忘れて三田村と二人だけの世界に没入してしまいたかった。
「……お……お願い……」
祈るようなその言葉に背中を押されるように、男ははちきれそうに硬くなったモノを、ついにあいりのヴァギナに宛てがった。
陰唇にじわりと感じる男の体温。
一刻も早くその先の快感が欲しくなって、あいりは自ら腰をぐいと浮かせると、硬い肉の先端をとろけた泉の中にずぷりと誘(いざな)い入れた。
まだ一度も声らしい声を発していなかった男が「……うっ……」と短い呻き声を漏らす。
その淫らな獣のような声は、ますますあいりの欲望を駆り立てた。
「……も……もっと……お……奥…に…欲しい」
亀頭がすっぽり入ったところで一瞬ためらうように動きを止めていた肉棒が、あいりの言葉で迷いを振っ切ったように、一気に奥へと突き入れてきた。
「あ…っ……ああっ!」
ズンという重い衝撃が子宮を震わせ、虚ろだった下半身が急に満たされたような感覚でいっぱいになった。
「あぁっ……み…三田村く……んっ……」
胎内で更に硬さを増していく男のペニス。
その愛おしい形は、まるでジグソーパズルのピースのように、自分の空白をピタリと埋めてくれるような気がした。