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ゼビア・ズ・ストーリー
【ファンタジー 官能小説】

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黒い魔獣-12

 家に入った途端にアースは持っていた本を投げ捨て、キャラを壁に押し付けて荒々しく唇を奪う。

「ふぅっ!んんうぅ」

 キャラは驚いて思わず逃げようとするが壁に阻まれる。

「ん…ちょ……ぁんぅ…ん…」

 暴れるキャラの両手を掴んでひとつにまとめ上げ、片手で壁に固定したアースは残った左手でキャラのズボンに手をかけた。
 今日は休日だったのでキャラの服装はラフなもの。
 赤いキャミソールに七分袖の白いシャツ。
 ズボンはウエストで軽く結ぶだけのゆったりしたワイドパンツ。
 なので、ウエストの紐をほどくとズボンはパサリと床に落ちた。

「ちょっと……待てって…ひぁっ」

 スルリと太ももを撫で上げられて背中までゾクリと快感が走る。
 再び唇を塞がれたキャラは魔力が吸い上げられていくのを感じた。

「んんっーー!」

 躰の中心から力が抜けていき、瞼の裏がチカチカ光る。
 魔力を吸うって事は魔獣の方か、と頭の端で考えたキャラの膝がガクンと崩れた。

『おっと』

 魔獣のアースはぐったりと力の抜けたキャラを抱き止めると汗ばんだ首筋を舐める。

「は……待て…って……はぅ…アース…こいつ止めて……」

 耐えきれなくなったキャラは魔獣の方を抑えてくれ、と人間のアースに頼んだ。

「こら、あんまり無理させるな」

 実は人間のアースもこのまま続けたかったのだが、キャラが本当にキツそうだったので魔獣の自分をたしなめる。

『ヤりたいくせに』

「うるせぇ」

 キャラを抱き上げたアースは1人漫才をしながら寝室へ行き、ベットにキャラを降ろす。

「なんか妙な感じだな……」

 隣に寝転んだアースはキャラの髪に指を絡めながら話す。

「何…が?」

「自分じゃない自分が行動してるのを眺めるような感じで傍観しつつも、しっかりヤりたい事はやれるこの感覚?」

 さっきの行動のどれが人間のアースだったのだろうか、と考えたキャラは頭が混乱してきた。

「なあ……魔獣の方に呼び名つけないか?」

 人間のアースとか魔獣のアースとか考えるのが面倒になってきたのだ。


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