三田村真吾の憂鬱-12
妄想の中の辰巳は不気味なほどの笑いを浮かべながら、泣き叫ぶあいりの中に、ズブリと巨大なペニスを突き立てた。
『……イヤアアアッ!』
響き渡るあいりの悲鳴。
辰巳は唾液で異様にヌラヌラ光る唇をあいりの身体に押し付けながら、狂ったように腰を振り始める。
『――イヤッ!イヤアッ!』
絶叫するあいり。
その均整のとれた美しい身体に打ち付けられる辰巳のグロテスクなペニス。
三田村の脳裏には卑猥な粘着音をたてながらぶつかり合う二人の結合部分までハッキリと浮かんでいた。
辰巳がペニスを抜き挿しするたびに二人の陰毛が卑猥に絡まりあい、あいりの中から溢れ出した大量の淫蜜がねばねばと糸を引きながらシーツにしたたり落ちる。
「……ああっ…あいりちゃん……」
吐き気がするほどのおぞましい光景であるにもかかわらず、三田村は全身が震えてしまうほどの興奮を感じていた。
嫌がりながらも徐々に絶頂へと押し上げられていくあいり。
悲鳴の中に時折り混じる切ない喘ぎ声―――。
『……た…辰巳なんかに……感じんなや……』
嫉妬にも似た激しい怒りと、抗いがたい興奮が三田村を支配する。
辰巳はあいりを抱き起こし、四つん這いの姿勢をとらせた。
あの写真のように尻を高くつき出して陰部を晒すあいり。
辰巳はあいりのくびれたウエストをぐいと引き寄せると、そそり立つ欲望を後ろからズブリとめり込ませた。
『……あっ……ああっ……』
あいりの唇からため息まじりの喘ぎ声が漏れる。
間髪入れずに動きはじめる辰巳。
あいりのむっちりと張ったヒップを節くれだった指でわしづかみにして、ニヤニヤと不気味な笑いを浮かべながら己の欲望を打ち付けていく。
『……あ…ああっ…み…三田村くん……』
不意にあいりが自分の名を呼んだ。
「……あいりちゃん……」
心臓が張り裂けそうなほどの衝撃が三田村を襲った。
『ああっ……み…三田村くん……ああっ……』
あいりは辰巳に肉体を貫かれながら、切ない声で三田村の名前を繰り返し読んでいる。
己の妄想でありながら、三田村はどうしてもあいりを助けだすことが出来ない。
三田村の名を泣き叫びながら辰巳に身体を弄ばれているあいりの姿だけが、どんどんリアリティを帯びていく。
そのあまりにも煽情的な光景に、三田村の興奮は頂点に達しようとしていた。
『ああっ……あああっ…イヤ…イヤ……三田村くんっ……イ……イっちゃうぅっ!イ…イくぅっ!……』
「ああっ…あかん…イ…イくっ……」
頭が真っ白になり、短い呻き声と共に三田村は達した。