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デパガあいり
【レイプ 官能小説】

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閉店後のフロアで-1

「ありがとうございました。またお越し下さいませ」

深々と頭を下げるあいりに軽く手を振りながら、最後の客がようやく売り場を去って行った。


「ふぅ……長かった……」


思わずため息をついて時計を見ると、閉店時間をすでに40分もまわっている。


「えっ!もうこんな時間!?」


あいりは慌てて退店準備にとりかかった。




デパートでは、閉店時間を過ぎても最後の一人の客が帰るまではシャッターを降ろすわけにはいかない。


そして実際、閉店時間などお構いなしで呑気に買い物をする自己中な客というのは意外と多いのである。


特に高額品やまとめ買いの客は、わざと閉店時間後まで接客させることで自分が特別であるという優越感に浸りたがるものなのだ。


そのような場合は全員が残業するわけにはいかないので、質(たち)の悪い客に捕まったアンラッキーな接客担当者と、そのフロア主任が売り場に残ることがルールになっている。


つまり今日のような場合は、接客担当のあいりとフロア主任の川瀬が店に残らなければならない。


長く接客の仕事をしていれば、この手のわがままな客をうまく捌けるテクニックが自然と身についてくるものなのだが、入社間もないあいりにそんな技術があるはずもない。


ただひたすら客の言いなりになることしかできないまま、結局はズルズルとこんな時間まで残業するはめになってしまった。


こういう時、通常は頃合いを見てフロア主任が助け舟を出したり接客を交代してやるものなのだが、川瀬はあいりがややこしい客に捕まっているのを知りながら全く手を貸そうとはしなかった。


周りの客や従業員が一人二人と減っていく中、あいりは川瀬のねっとりと絡みつくような視線に怯えながら、なすすべなくわがままな客が帰るのをただ待つことしか出来なかった。

程なくして店内のBGMとメイン照明が消え、非常灯だけになった。


やはりあいりが接客したのが今日の最後の客だったようだ。


「……どうしよう……早くしないと……」



薄暗く静かになった店内は、急に昼間とは全く違ったよそよそしい雰囲気になる。


おそらくもう他の売り場の従業員はほとんど退店してしまっているはずだ。


「……何か起きる前に……帰らなきゃ……」


あいりは、キョロキョロとあたりを見渡した。


幸い川瀬の姿は見当たらない。おそらく最終のフロア巡回にまわっているのだろう。30分くらいは戻ってこないはずだ。



初出勤の朝、バックルームで無理矢理犯されて以来、あいりは決して川瀬と二人きりにならないように行動している。



あの時―――。


川瀬に脱衣を命じられ抱きつかれた時には、全身に鳥肌が立つほどの恐怖と嫌悪感しかなかったはずだ。


にもかかわらず、気持ちとは裏腹に徐々に身体が反応しはじめ、最後にはまともに抵抗することが出来なくなってしまった。


―――いや、むしろ最後は「もっと…もっと…」と望んでいたのではないか……。


過去に経験した恋人とのセックスが、ひどく稚拙なものに感じてしまうほどの川瀬の荒々しくも巧みなテクニック。


初めて知った「セックスでイかされる」という感覚。


禁断の甘い果実の味を覚えてしまった身体に込み上げてきた想定外の劣情に、あいり自身が一番戸惑いと恐怖を感じていた。


なぜあの時、もっと抵抗しなかったのか……。


全てが終わった後になって激しい後悔があいりを襲ったが、結果的に川瀬を受け入れてしまったという事実は覆しようもない。


後ろめたさとはずかしさから被害を誰かに訴えることもできず、あの朝の出来事は自分の胸にしまいこむしかなかった。




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