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裏路地の女
【その他 官能小説】

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裏路地の女-2

その場所は春を売る女達の神聖なる職場でもある。
男達に媚びを売り、快楽を与えて報酬を得る非合法的な商売である。
むろんそれは、大っぴらには出来ない。

が、しかし、その地域は当局とは暗黙の了解があった。
ぼったくらない、男を騙さない。
事件を起こさない。
など、それを守ることで折り合いが付いていた。
その辺りの顔利きとは話が付いているからだ。

或る女の話では、取り締まる側の男が非番には平然として来るらしい。
当然、客としてだが、その男は相当のスケベだという噂もある。

女を上にしたり、下にしたりしてさんざ楽しんだあげくに
金をまけさせるというしたたかさを持っており
女達からは嫌われていた。


この世に男と女がいる限り、この風景はどこかで必ず見られる。
人間にセックスへの飽くなき渇望と欲望が或る限り続くだろう。
数千年の長い歴史がそれを証明している。
どの時代でもそれは変わらない。


女達は身体を張って精一杯生きているのだ。
多くの男達は仕事場で上司に叱られ、汗水垂らしながら働いて報酬を貰う
その報酬が、彼等に生活と生き甲斐を支えている。

女達は、その報酬の一部を得る為に、男達に安らぎを与えるのだ。
それは優しい家庭の温もりなどではなく、心からの愛でもなく
身も溶けるような飽くなき快楽であり
愛のない肉体だけの快楽であるのだ。

それは彼女達が生きるための、一つの生き方でもあり
ひたすら彼女達は男達が寄ってくるのを待つ。
男は、夏の夜の薄くらい蛍光灯に群がる蛾のようなものだ。

だが、その世界の女でも(心からの愛がある快楽)が無いわけでもない。
それがこの物語でもある。


女達は、男を妖しい言葉で引き寄せ、その巣で乳房を吸わせ
身体を触れさせ、抱かせ・・
あらゆるテクニックで男を喜ばせストレスを発散させる。
その代価として報酬を得るのだ。

それが金だ。

彼女達こそ男達にとっては快楽の天使なのだ。
その哀れな天使は、社会的には認知はされてはいないのだが
彼女達の存在こそ、男にとっては享楽の新天地になる。

その裏通りでは
さまよい込んだ男達の快楽の果てに放出した白濁の精液が
女達の子宮の中に吐き出され、ドクドクと溢れ出たことか。
そこは生身の女達の身体を張った戦場でもあるのだ。

男達は教養や知識、経験などのあらゆる武器を身につけ
社会の中で荒波で揉まれ、悪戦苦闘をして生きている。

それに対し、そこでの女達は何も身につけていない。

敢えて言えば、女が持つ身体一つが唯一の武器なのである。
乳房や口、悩ましく白い身体と、男にはない膣一つで勝負するのだ。


この界隈は、男達の中ではそれとなく名が知れているが
昼間を除き、女と子供達は決してここを通らない。

明るい内は、生活のためにこの路地を利用するが
それでもそこを利用する人以外は、当然に敬遠し近寄らない。
ここはうらぶれた、目立たないさえない裏路地だからだ。


しかし、それも陽が落ちると様相は一変する。
怪しげな灯りがともり、鈍い光りが客を誘うように輝く。
若い勤め帰りの女達が、たまに間違えてこの路地に迷い込んだと気が付くと
慌ててきびすを返していく。


この路地を入る手前には安酒場が何軒かあり、結構繁盛していた。
一日中、働きづめで働き、疲れた男達の憩いの場所でもある。

飲み屋で軽く一杯を引っかけて、その勢いで裏路地に繰り出すのだ。
飲んだ勢いで女をからかい
更に精力が余っている男は女を抱く為である。



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