投稿小説が全て無料で読める書けるPiPi's World

冥界ハンターズ/愛しのお菊ちゃん2
【ファンタジー 官能小説】

冥界ハンターズ/愛しのお菊ちゃん2の最初へ 冥界ハンターズ/愛しのお菊ちゃん2 18 冥界ハンターズ/愛しのお菊ちゃん2 20 冥界ハンターズ/愛しのお菊ちゃん2の最後へ

猫蜘蛛?蜘蛛猫??-6

「さ…貞ちゃんなんて恐ろしゅうて、まなこを閉じたままでございましたよ!」
バカにされてると思ったのかなぁ。
必死で唇を尖らせるお菊ちゃん。

「お菊ちゃんはちゃんと見てたの?」
それもまた可愛くて、ついついからかいたくなっちゃう僕。

「菊は武士の子です!恐ろしゅうても、こうしっかりとまなこを開いて」
大きな瞳を更にパッチリと開いてその時の顔を作るお菊ちゃん。

「本当に可愛いねぇ…お菊ちゃん」
デレデレになっちゃう僕。
こうして。
僕に逢えて嬉しいのかな。
いつもよりよくしゃべるお菊ちゃんと僕はパトロールを続けた。


ちなみに僕とお菊ちゃんがパトロールしてるのはね。
お寺のある山を降りて。
少し行ったところの町外れ。
人影もチラホラ。

その人たちのお菊ちゃんを見る視線。

その視線。
最初はお菊ちゃんの格好をあんなに気にしててバカみたいだったよね。
だってさ。
女の人はお菊ちゃんを見るとさ。
『綺麗』とか『可愛い』とかさ。
キャーキャー騒いでるし。
男の人はさ。
あからさまに悔しそうに羨ましそうに僕を見てくんだよ。
ちょー優越感って感じだよね。
だからね。
今は町の人全員に『これ、僕の彼女』って…見せびらかしたい気分。
けど。
お菊ちゃんの素性が素性だけにそれは出来ない。
だから…。
ってか、何でそこに繋がる?って感じだけど。
「ね!ちょっと休憩しよ」
お菊ちゃんの手を引いて、偶々あった公園の中に入ってく僕。
なんか…小走り。

「あ〜れぇぇぇ…」
僕に引っ張られるお菊ちゃんも楽しいのかなぁ。
チョコチョコ小走りで。
お菊ちゃんなりに少しチャラけているみたい。

公園の奥まったトコ。
人目につかない辺りのベンチに腰掛ける僕とお菊ちゃん。
「あははっ…なんか久しぶりだね、お菊ちゃん」
ニマニマと笑いかける僕。
かなりドキドキ。

「そうでございましょうか?」
眉をハの字にしかめて僕の顔を覗き込むお菊ちゃん。
はて?って感じの顔をしてる。

カァーッ。
カァーッ。
何処かでカラスが鳴いてる。
もう直ぐ夕方かなぁ。
ってか…お菊ちゃんってばさぁ。
冷めてない?
「僕は……」

熱い気持ちを伝えようとする僕の言葉を遮って。
「菊は如何なる時も一緒でございますよ」
瞳を伏せ、両手を自分の胸にあてるお菊ちゃん。

わっ!僕の言おうとした事よりいーかも。


冥界ハンターズ/愛しのお菊ちゃん2の最初へ 冥界ハンターズ/愛しのお菊ちゃん2 18 冥界ハンターズ/愛しのお菊ちゃん2 20 冥界ハンターズ/愛しのお菊ちゃん2の最後へ

名前変換フォーム

変換前の名前変換後の名前