これってなんのプレイ?-1
これってなんてプレイ?
その日。
ボクは好子さんのお見舞いから帰ってくるとね。
家でルービーを軽く引っかけてたのさ。
まだ夕方前。
普段はこんな早い時間からは飲まないんだけど。
今日はいー事があったから特別。
だから…。
紺の甚平姿のボク。
缶から直接…黄金色の液体をゴクリ。
「プハッ――!くぅー!んめぇ」
この喉ゴシとキレ。
堪んないねーって顔をしてると。
「パパッ!パパッ!パパ!パパ!パパ!」
ちょー興奮状態でちょーハイテンションの好美ちゃん。
キッチンに駆け込んでくると。
ちょっとアブない顔で両手をバタバタと動かし続ける。
けどまぁー。
ボクだっていー事あったし、テンションは高いから。
「好美ちゃーん!好美ちゃーん!好美ちゃん!好美ちゃん!」
好美ちゃんのイカレっぷりに合わせちゃう。
して暫くの間。
二人で向かいおさむ。
いや…向かい合って手をバタバタと動かし続けたボクと好美ちゃん。
「にひひひっ…」
「あはははっ…」
ニタニタとヘラヘラと笑いながらテーブルにつくボクたち。
「で?何があったの?好美ちゃん」
楽しくて目尻を下げながらボクは缶ビールをゴクリ。
「よくぞ聞いてくれやましたきよし」
依然としてテンションばか高い好美ちゃん。
「や…やだな…ボッ…ボクは裸の大将じゃ…な…ないんだなっ」
渾身のモノマネで切り返すボク。
「ギャハハハ!うめーな!パパ」
大口を開けてアホ丸出しで笑い転げる好美ちゃん。
して。
「いやよー」
笑い過ぎでヒィーヒィー言いながらも喋り始めた。
話を聞き終えて。
「まじぃ!?」
ちょっとビックリのボク。
ちょっとドヤ顔の好美ちゃん。
ってね。
話の内容はね。
ついに好美ちゃんてば正真正銘の女になっちゃったらしいんだ。
しかも相手の男の子、フトシくんって子とはね。
将来的な事を視野に入れながら、つき合うんだってぇ。
あの好美ちゃんがねー。
ボクは目の前でニコニコしている好美ちゃんをジッと見つめちゃう。
元気だけが取り柄だった子供の頃。
勉強は出来るけどガサツが過ぎる女の子に育って。
顔も性格もちょっと残念で。
それでも可愛い好美ちゃん。
その好美ちゃんが結婚だなんて…なんて感慨深いんだ。
なーんてつい先走っちゃうボク。
とーく安らかな目で好美ちゃんを見つめちゃう。
そんなボクの視線に。
「なんて目で見てんだ!パパ!照れんじゃねーか」
って顔を赤くする好美ちゃん。
やっぱ変な可愛げはあるね。