無銭湯記スパゲッチュー-13
第14話 『力有る者』
ガスト砦に向かう途中、俺達は一人の女魔道士と出会った。
彼女は自分が『アズラエル共和国』で一番の魔道士だと言った。自分より強い者など居ないと。
「うそだーぁ! 信じられないなぁー、そんな話ぃ」
俺とレイモンドは声を揃えて、そんな事を叫んでいた。だって本当に信じられなかったんだもん。
そんな俺達の言葉に怒りを感じたのか、彼女は魔道士の中でも最強と言われている、ドラグ○レイブの魔法を俺達の目の
前で使って見せた。
彼女の発した強烈な魔道力が、たまたま近くに居合わせた不幸なスライムを、跡形も無く、消し去ると。
彼女もまた、全魔法力を使い果たしたのだろう、その場に倒れ込んでいた。最早、虫の息と言ってもいいだろう。
「ありがとう美人のお姉さん。君の死は無駄にはしない」
俺はそう女魔道士の耳元で囁くと、やはりこう言った危ない人とは関わり合いに成らない方が良いだろうと、旅を急
ぐ事にした。
そんな俺達の背後から、
「こぉ〜らぁ〜・・・またんかぁ・・・ ちょっとぉ貴方ぁ・・・助けなさいよぉ・・・」
そんな声が聞こえたような気もしたが。たぶん・・・空耳だろう。
つづく