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無銭湯記スパゲッチュー
【ファンタジー その他小説】

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無銭湯記スパゲッチュー-14

第15話 『緊迫した空気』

 戦闘の準備で砦の中は大忙しだった。
 俺は、信書を届けた謝礼にと、わずかばかりな金も貰い。最早この砦に俺が居る意味は無いだろう。だから早く帰りたい。
そう思って止まない。止まないのだが、どうも雰囲気(ふんいき)が不味い。

「あの有名な女魔道士『フィリス』を倒したんだって。なかなかのすご腕じゃないか、お前!」
 砦を守る軍隊を取り仕切って居た隊長が、俺の肩を叩きながらそんな事を言って来る。
 どうやら砦の連中は、俺を戦力として、当てにしているらしい。どうやらとんでもない事になってしまったようだ。

「ねえねえ、皆なが言ってるよ! ユグンは勇者だって!」
 こいつか! こいつが余計なホラを吹いたのかっ!!

つづく


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