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無銭湯記スパゲッチュー
【ファンタジー その他小説】

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無銭湯記スパゲッチュー-12

第13話 『戦場へ』

 お宝と聞いて以来、レイモンドの奴は無駄に元気だったりする。
 俺は思っていた。わずかばかりの旅費を稼ぐ為とは言え、やはりこんな軍宛ての信書を『ガスト砦』に届けるなんて、引
き受けなければ良かった。・・・と。

「お宝ってなにかなぁ! ゴールドかな! 宝石かなっ! わくわくするね、ユグン!!」
 レイモンドの奴め、無邪気にはしゃぎながら、いい気なもんだ! 
 だいたい、砦にお宝があるわけは無いし。もし有ったとしてもだ、それは軍隊が使う軍資金で有って、俺達が手にする事
など、出来はしないのである。
 こいつと一緒に居ると俺まで『シーフ(泥棒)』だと思われる所が腹がたつ。に、してもである。なんとなく憎めないの
も、事実だったりするから始末におえない。
 そんな俺の気も知らずに、彼女はお気楽にも、
「ねえねえ、私たちって最高の『盗賊コンビ』だと思わない」

 俺はキレたらしい。 ”一ペン死なすぞ、こんがきゃぁー!”

つづく


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