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SM地獄
【その他 官能小説】

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SM地獄(1)-2

由紀恵がそれに耐えられたのも、自分の家族の生活を守る為だが、
しかし、それ以上に彼女には好奇心が旺盛だからでもある。
その時まで、その好奇心が彼女にとって戻れない悪夢となって
彼女自身にも襲いかかってくるのを知らずにいた。

それは次第に明らかになるが、
彼女が垣間見た家の中で繰り広がられる数々のどんな行為も、
絶対に漏らしてはならないと言う約束事である。
もし漏らしたり誰かに話したりしたら、手当は没収されるという内容である。

その為に驚くほどの高い報酬を彼女は約束されていたが、
彼女なりに決断した理由があった。

何故、由紀恵がその仕事を受けたのかというと、
彼女は実は切実に金が欲しかったからである。
三十代で未亡人の彼女は娘と息子の二人の子供を抱え、
その教育費や残っている家のローン等、
急死した夫が残した生命保険の額ではとても足りなかった。

途方に暮れていたとき、条件の良いこの仕事を紹介されたのである。
それは由紀恵にとっては有り難かった。

或る日から、夫が急死した為に彼女は仕事に出た。
由紀恵は今までに、紹介されて訪れた家で何度か仕事をしたが、
どれも初めの約束と違っていたり、簡単だと言われた仕事もきつくて、
家に帰るとくたくたになっていた。

また慣れない厭な仕事もやらされたりと、
今までは普通の主婦だった彼女には、耐えられなかった。
今の彼女の年齢から言って、余程手に職を持っていなければ
良い仕事はやってこない。

男好きのする由紀恵は、主婦仲間から紹介され、
高収入を得るという理由で、夜の仕事に出たことがある。
その時は仕事が見つからず、藁にもすがる気持ちの時だった。

何も知らない由紀恵は、始め男性客の接待で、指定されたホテルに行き、
少し話をしたり、軽くマッサージをするだけで良いという内容だった。
しかしそれは表向きの話であり、実際はそこで客に春を売る仕事だった。

それを知らないで出向いた由紀恵は、部屋に入ると鍵を掛けられ、
服を脱がされ、裸にされて無理矢理に犯されたのである。

抱かれて、貫かれ・・終わった後、
客は何枚かの札を由紀恵の裸の胸にばらまいて部屋を出て行った。
彼女は、屈辱に胸が張り裂けそうになり、
その金を掴んで投げ捨てようとしたが出来なかった。

そんな金さえ、彼女にとっては生活の糧になるからである。
由紀恵は悲しかった、紹介した友達を憎んだがどうしようもなかった。
ちゃんとした仕事をしたい。
そんなとき、彼女に願ってもない仕事が舞い込んできたのである。


その家は郊外に有る高級住宅街の中にあった。
芝生に被われた庭は手入れが行き届き、その建物は立派だった。
中には幾つかの部屋があり、豪華である。

彼女の初めての面接は、その家の広い居間で行われた。
面接にはその家の夫婦と息子の三人で行われた。
三人での面接というのも不思議だった。


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