Purple ecstasy-31
「おかえりなさい、ワッカ!!!」
「試合お疲れさま!!!」
ワッカと呼ばれた男は歓声に笑顔で応えつつ、
ルールーの姿を見つけるやはしゃぎながら彼女に抱きついた。
「ルー、ただいま!!逢いたかった〜〜〜」
「もぉっ、ダメよワッカ。みんなが見てるじゃない」
“アハハハハ・・・・"
「・・・・・・」
遠くからそんな様子を見ていたラグナはきびすを返し、
無言のまま搭乗口をくぐった。
目の前にいたルールーは、2日間束の間の甘い時間を共有した“魅惑的な女性"ではなく、
結婚したばかりの夫や長年の仲間に接する“家庭的な妻"そのもの。
彼女自身今までのことがなかった・忘れてしまったかのように振る舞っている。
ラグナは自分の中で1つの区切りがついたのだと認識し、
彼にとっては思い出深い ビサイド島に別れを告げたのだった――――