Crimson in the Darkness -再会-T-7
「最後まで聞くんだ。リーについては状況によって手伝ってもらってる。戦闘への参加はさせていない」
「1年前に、リーちゃんの特異能力に“嗅覚”と“飛行”があるのが解ったんです」
「特異…?」
「超長距離からの悪魔の臭いを嗅ぎ付ける“嗅覚”とその名の通り、空を飛ぶ力。だから、たまに偵察役をしてもらってます」
「でも、それはっ」
ヒューイの代わりにリアナが説明をする。でも、それは“利用”してることになるだろう?
「望んだのはリーだ。自分の出来ることをしたいと言ってる」
「……っ」
確かにアイツなら言うだろう。気兼ねなく他人におんぶに抱っこを望むようなやつじゃない。
反論は出来ない。リーが決めたことなら、今のオレには出来ない。
「話を戻そう。第1班の警備範囲はユグドラシルを始点に北側、街の外にあるクレイナの森まで。それ以北はシェーキーズ教区になる。そして、第一に守るのはユグドラシルだ」
「…………解った」
取り敢えず、仕事は仕事、か。
話を終え、部屋から出るとヒューイが追い掛けてきた。
「アーク、少し良いか」
リアナもシリウスもついてきていない。…………個人的な話ってことか。