EP.6「おめでと。ホントに、おめでとう」-11
「ちょ、ちょっと、姉ちゃん?!」
なんか言い方が気に入らなかったんで、信之介を抱き締めてそのまま後ろに引きずり込む様にして、背中からベッドに落ちた。
石像みたいに動かなかった信之介はようやく抵抗を始めたけど、逃がさない。
今夜はこのまま一緒に寝てもらうんだからな。
「離せよ姉ちゃん!」
「今日くらいは同じベッドに寝てもいいだろ」
「だ、だって、さっき俺達・・・さ、さっき・・・」
「恥ずかしい?ふふっ、だからこそだよ」
深い考えなんて特に無い。
ただ、信之介が困るのを間近で観察したいだけだ。
それでいい。たかが一回エッチしたくらいで、変に意識したら信之介も萎縮しちゃうから。
最初は暴れていたけど、観念して信之介は私の隣に横たわった。
「・・・ねえ、信之介」
返事が無い。
でも、起きてるだろうから気にせず続けた。
「起きたら、普通の姉弟に戻ろう。後も先ももう無い、たった一回、それでおしまい」
「えっ?どういう事?」
今度は私が目を閉じて、返事をしなかった。
こいつの事だから1度やったらいい気になるに決まってる。
それに・・・忘れた方がいいんだ。
信之介は弟。男じゃない。
私達は姉弟だから−
〜〜続く〜〜