調教物語(その14)-3
健の妻は優子のような、そういうタイプの女ではなかった、
彼女の勝気なせいもあるかもしれない、
それは彼女のもって生まれた性格であり、いまさら仕方が無い。
だが、そういう女だからこそ、
他の男にこの妻を強引に犯させ、乱暴させたとき、
自分の気持ちの中に、相反した別の感情や欲情が芽生えるのかもしれない。
それが今の健の気持ちだった。
しかし・・
今までに、健に対して小馬鹿にしたような態度は今の輝子には微塵もなかった。
研二郎と優子という妖しいカップルを目にして輝子は圧倒されていた。
個性的で、ぐいぐいと迫り来る研二郎に輝子は目を奪われていた。
(これが本当のセックスなのね)
と改めて思い、身体も心も興奮している輝子だが、
その彼女自身にも、妖しい危険な誘惑が潜んでいるのに彼女は気が付かない。
輝子は、自治会館の中での妖しい雰囲気に我を失い、じっと見入っていた。
自分よりも美しい優子という見知らぬ女が目の前で乱れ、
激しく蹂躙され、
男達に犯されようとしているそのシーンを見せつけられると
自分がされているようであり、気が遠くなるような気がしたからである。
その男達に混じって、あの夫が、夫の健が目を血走らせ、
今までに見たこともないようにペニスを勃起し、他の女を犯そうとする姿を見ていると、
目が眩みそうになってくる。
(あぁぁ・・凄いわ、夫があんなに勃起している!)
輝子は興奮し、身体が濡れていた。
輝子が、乱れた優子を見ながら、無意識に自分を優子に重ねていると、
誰かが、いきなり自分の手をぎゅっと掴み、後ろに回したかと思うと、
彼女は急に手首に痛みを感じるのだった。
(な、なんなの?)
そう思ったときには、輝子は手を後ろに回して縛られていた。
「きゃっ、な、なにをするのっ!」
「うふふ」
思わず後ろを振り返ったそこには、
あの研二郎が薄笑いを浮かべながら立っていた。
「良い格好だなあ、スケベな奥さん」
ニヤニヤしながら研二郎は輝子の前に来た、
三人の男達は優子に掛かりきりで、輝子と研二郎のやり取りなど眼中にない。
「いやよっ、私に何をするの、止めてっ!」
「きゃっ!」
輝子が叫んだと同時に、輝子は激しい音と同時に畳に倒れ込んだ。
後ろ手に縛られた輝子は、身体の自由を奪われ無惨に転がった。
(バン!)という乾いた音が輝子の頬で鳴ったのである。
それは研二郎が思い切り輝子の頬を殴ったのである。
畳に転がった輝子は、それでもよろけながら畳に座った、
その下唇は切れ、血が流れていた。