突撃、太んちの晩御飯-1
「お邪魔しておりやす!鬼頭好美と申しやす!」
制服を着直したアタシ。
カリ太ちんぽと一緒にリビングに降りてった。
すると…。
ウェーブのかかった栗色の髪をリボンでツインテールにして。
ちょい面長、ちょいシャクレの眼小さなめ。
けど愛嬌があって可愛い感じの顔。
格好は白いフリフリのエプロン付きワンピース。
これがカリ太ちんぽのママかっ!?
なんか一昔前の少女漫画から出てきたみてーだな。
して…。
「アラアラいらっしゃ〜い、いつも太ちゃんが仲良くして貰ってありがとねぇ」
喋り方、喋り声ともにアニメみてーだ。
「いやぁ…まぁ…」
吹き出しそーになるのを堪えるの必死なアタシ。
何となく歯切れのわりー返事になっちまう。
ただよ…この太ママは今回のアタシのミッションで重要なキーパーソンだからな。
ご機嫌をとっておく必要はあるな。
アタシは奥歯に被せた銀の被せ物が見えるくらいニカッと笑うと…。
「アッシの方こそ!お世話になっておりやすです!」
渾身のお世辞&敬語。
アタシがアッシになっちまったけど…そこはまぁいーや。
「まぁ太ちゃん偉いわねぇ」
アタシの言葉にちっこい目を更に細めてカリ太ちんぽを見つめてやがる。
こりゃ…そーとーな親バカだなぁ。
ならば!
「太くんってば優しいんですよぉ」
両手を下腹部の前で合わせて身体を左右にモジモジ。
してブリブリの声を上げてやるぜ。
「まぁ」
パッと目を輝かせる太ママ。
すげー食いつきだなぁ…おい。
「うちが貧乏でひもじい思いをしていたアタシに、この前なんかお蕎麦を奢ってくれるし」
アタシの話す美談にウン、ウン頷いて目を細めていやがる太ママ。
アタシもついつい。
「不治の病でアタシの母が入院すると…俺の家に飯を食いに来いだなんて」
目頭を押さえて泣きの演技まで入れちまう。
口調だって浪花節だよ…人生は。
「まぁまぁ…若いのに苦労しているのねぇ」
太ママは鼻をグスグスさせて、ポケットから取り出したハンカチの端を噛んでいやがる。
あんま苦労をしている件はなかったが。
太ママがそー感じたんならいーや。
「普段は夜露に濡れて寝る毎日、今日はあったけぇ布団で寝かせて頂けるたぁ…星になったおっかさん!オイラァ、今…とてつもなく幸せだよ」
宙に向かって右手を差し伸べるアタシ。
そしてダメ押しの涙がポロリ。