「三角形△ワルツ」-7
「…あんた…誰?」
いや、それはこっちのセリフなんですけど。
なんて、よくあるツッコミをするが、それを口に出せないのがもどかしい。
「凌の彼女…な、ワケないよねぇ…?
だって凌、今の相手には、プレイできないってゆってたしぃ…」
なっ、なんなの、この子!?
なんでそんな事まで知ってるの?
「…ちょっとぉ、そんな睨まないでよぉ。
そんなカッコでそんな目付きしたって……逆効果だっつーの」
…へ?
どういう…?
…ぎしっ
…っ!?
なんで、この子、ベッドに上がってきたの!?
「…ふふっ、おいしそぉ〜!
あたし一回、こういう気の強そうなオンナ、ひぃひぃ言わせてみたかったのよねぇ」
「…ん゛ぅっ!?」
カラコンだろうか、黒目がちの瞳で、楽しそうに見すえてくる。
ぺろっと舌なめずりが…女のクセにいやらしく感じられる。
「はじめまして、あたし、リサコ。
一年くらい前から留学してたの。
凌とは、大学からの…
ん〜、言っていいのかな、セフレ、だよっ」
…!?
「ね、ね、留学してすぐん時、凌から、好きな人ができたってメール来たんだけど、それがアンタ?
なんで縛られちゃってんの?
アンタも実はドMだったとか?」
…も!?
アンタも、って、もしやこの子…?
「あっ、ごめん、ごめぇん。
あたしはMじゃないよ?
むしろあたしもSでさぁ、凌とは、ノーマルなえっちだけのセフレだったからダーイジョーブ!」
いやいや、全然大丈夫じゃないんですけど。
あの爽やか系仔犬のような凌が、ホントにS!?
しかも、つい最近までセフレ(!)がいたとは…!
え、でも今は…?
「んでさ、…あぁーっと!
ずっと馬乗りになってんのもキツいね?
よいしょ、っと」
…っ!
なんと彼女が腰を落とした先は、あたしの股間の前だった。
足をあたしの脇にそれぞれ置いて、ヒザに腕とアゴを乗せてこっちを見てくる。
機械を仕込まれたあたしのパンツと、彼女のショートパンツは触れるか触れないかのところ。
「んふふ、凌ったらオモチャまでセットして、どこ行っちゃったの?」
「…んん゛ーーっ!!」
ブブブ…!
ぐっ、と指でローターを押し付けて来た。
跳ねるカラダが悔しくて、目をそらしてしまう。