「三角形△ワルツ」-11
「お前なー？
勝手に人の家に上がるなよ」
…え、そこ！？
「鍵なら、ポストに入れておけばいいだろうが」
「いやぁ、傘借りようと思ったら、なんかカワイイおもちゃがいて…あはは」
「ったく、あははじゃねぇよ。
これは、…この人は、俺のモンなの！」
…凌…！
「やっだぁー凌ったら！
俺のモンだってぇ！
おねぃさん、聞いた？
あ、ねぇ凌、このおねぃさん、名前はなんてゆーの」
「…珠子」
「タマゴ？」
「タマコ！！」
「ふぅ〜ん。
タマゴちゃん、よろしくね！
いっぱい気持ち良くしたげるからねっ」
…ちょっと！
卵じゃなくて、珠子、ですっ！
「…は！？
お前、まだココにいる気なの？
つーか、これからこの人は、俺にお仕置きされんだから、気持ち良くなっちゃダメなの！」
「えー、かわいそー」
「…知るか」
「ね、ね、そんなに凌を怒らせるなんて、何したの、タマゴちゃん」
「っん゛、んんーっ！」
やめ、て…！
もう弄らないで…！
凌に…イくなって言われたのに…ヤバイよ、あたし…！
「珠子さん、分かってますよね？」
「んぅっ、ん゛う！」
必死に頷く。
「やぁん、ほんとカワイイね、この人！
凌ったら見る目あるじゃん、さすがドＳぅ！」
「…だろ？」
凌ったら！
ドＳは誉め言葉じゃないでしょうが！
「そうだな、それなら…リサコ、お前も脱げよ。
お前もＳなら分かるだろ？
珠子さんは、ずっとイかせねーで、代わりにお前とヤるわ」
…凌！
その子と…スるの？
そんな…！
「…イイっスね、その涙目。
俺がリサコとヤるの、イヤですか？
その胸の痛みは、俺が感じたモノと同じですよ、きっと、ね」
「ごめんね、タマゴちゃん。
二人の事情は知らないけど、あたしもオンナだし、辛さは分かるよ？
でもね…
やっぱり、その目付きはマズイと思うよぉ？
Ｓの欲望を煽るだけだもんね。
あたしも、日本に帰って来てからヤッてなくて、ちょうどムラムラしてたトコなんだよね。
…ま、あたしもおねぃさんに煽られたことだし、悪いけど、凌、借りるね」
…にっこり。
ハリのある胸をさらけ出して、リサコは小悪魔的微笑。
魔女なのか、小悪魔なのか。
いや、未知の生物であることには代わり無いか。