4・バカなんて大キライ-9
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『すー・・・すー・・・』
リリスは俺の隣ですやすや眠っている。今夜は一緒に寝たいという本人の希望だ。
『リリスはなかなか機嫌治さないからね。すぐ仲直り出来て良かったよ』
ラウムが枕元に座り、羽根を畳んでいる。こうして2人、と一匹で寝るのは初めてだな。
箱の中ではいつもどんな体勢で寝てるんだろう。
「なあ、ラウム。修行を終えたらお前達は帰るのか?」
『うん』
「リリスはもう一人前になれそうか」
『多分ね。夢の中でもできる様になったら、後少しだよ』
こないだそんな事を言ってたな、確か。
『そうなると嬉しいけど、寂しいなぁ。隆一ともお別れか』
「おいおい、口に出して言うなよ。イヤだなぁ」
『あ、ごめん。寂しい?』
「まあな。でも元々一人暮らしも長いし、すぐ慣れるだろう。おやすみ」
ラウムに顔を見せない様に寝返りを打った。
そうだ、いつかは別れる時が来るんだよな、どんな物でも始まりがあれば、逆もしかり。
始まりと終わりは表裏一体・・・切り離せない関係だ。
リリスは・・・怖くないのか?
人間だけど俺はこいつが一人前のサキュバスになるのが怖い。
・・・リリス・・・
〜〜続く〜〜