ヒロ兄ちゃんとユキ姉ちゃん-11
電車が、降りる駅に着いたので、私達は4人に別れの挨拶をして電車を降りた。駅を出た時、私が二度程欠伸をしたので、
「美香ちゃん眠たくなった?」
「うん.....」
私がそう答えたので、ヒロ兄ちゃんが私を背負って帰ってくれる事になった。私がうとうとしていた時、
「美香ちゃん眠っちゃったみたいね!」
ユキ姉ちゃんの声に私は目が覚めたのだが目を閉じたままでいた。
「そうだね!眠っちゃったみたいだね!」
ヒロ兄ちゃんは私のほうを見て言った。
「ねぇヒロ!こうしていると、私達って親子のように見えるのかなぁ?」
「そう見えるみたいだね!!さっきだってそう思われてたし....」
「実をいうとね、私あの時嬉しかった....」
「嬉しかったって....美香ちゃんの母親に見られた事?」
「それも少しあるけど....やっぱりヒロと夫婦に見られた事かなぁ....」
「それであの時....嬉しくて、つい本当の年齢を言ってしまった?」
「うん....」
「本当あの時焦ったよ!21で4歳の子供がいるって事はいくつの時の子供なんだよ....」
「ゴメンね....そこまで考えてなくって....」
「ったくもう....でも気持ちはわかるけどね!!」
「えっ?本当?」
「ああ!俺も少し嬉しかった!」
「良かった....」
「えっ?何が?」
「ヒロが私と同じ気持ちでいてくれた事!!」
「なぁユキ....」
「えっ?」
「何年かしたら.....こんな日が来たらいいな?」
「えっ?」
「俺とユキと....俺達の子供とで、こうしてどこかへ遊びに行く日が来るといいな?」
「そうね....早く来るといいな....」
「それなら、俺はすぐにでも....」
「.....バカ.....」
ユキ姉ちゃんはヒロ兄ちゃんを軽く肘うちをした。私は仲間はずれにされてるみたいな気がして、
「私は?」
思わず声を出してしまった。
「あっ起こしちゃった?ゴメンね!」
ヒロ兄ちゃんが優しく声をかけてくれた。
「私はどうなるの?」
「ちゃんと俺達の子供と遊んでくれる?」
「うん!いいよ!」
「じゃぁ一緒に連れて行ってあげるよ!」
「本当?ヒロ兄ちゃん?」
「ああ!」
「宜しくね!美香お姉ちゃん!」
私はユキ姉ちゃんの「美香お姉ちゃん」という言葉が嬉しかった。
「早くそんな日が来ないかなぁ.....」
「美香ちゃんもこう言っている事だし.....」
「.....バカ......」
再びヒロ兄ちゃんは肘うちをくらった。
「ユキは何か勘違いしていない?」
「えっ?何を?」
「俺は早くユキと結婚したいなぁって思っているだけなんだけど.....」
「えっ?あっ.....」
ユキ姉ちゃんは下を向いて真っ赤になっていた。