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一枚の写真
【初恋 恋愛小説】

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ヒロ兄ちゃんとユキ姉ちゃん-10

「お名前は?」
「鷹矢美香です。」
「美香ちゃんね!」
「うん!」
女の人に頷いた後ヒロ兄ちゃんのほうを見ると、ユキ姉ちゃんからバッグを受け取ったヒロ兄ちゃんもユキ姉ちゃんも「えっ?」っという顔をしていた。私は今も何故ヒロ兄ちゃんの名前を言ってしまったのかよくわからない。
「パパの名前は?」
「鷹矢ヒロ!」
「そう...ママは?」
「鷹矢ユキです。」
私は笑顔で答えた。
「美香ちゃんはいくつ?」
「3歳!」
「あれっ?この前誕生日が来たんじゃなかった?」
ユキ姉ちゃんの言葉に
「あっそうだった。4歳だった....」
私は舌を出して笑った。
「美香ちゃんはお利口さんだね!!」
私の頭を撫でた後、
「お若く見えるけど...おいくつ?」
ユキ姉ちゃんに話しかけた。
「21です。」
「えっ.....ご主人は?」
「同じ年齢です。」
ユキ姉ちゃんは嬉しそうに答えた。ヒロ兄ちゃんは唖然とした顔でユキ姉ちゃんを見ていた。
「お若い時の....」
女の人は驚いたような顔をしていた。
「ちょっと盛り上がってしまったもんで....」
ヒロ兄ちゃんが頭をかきながら言った。ユキ姉ちゃんは「あっ」っという顔をして真っ赤になった。私は何の事かよくわからなかったので、
「盛り上がってしまった。ってどういう事?」
ヒロ兄ちゃんは、
「美香ちゃんはまだ知らなくていいんだよ。」
そう言った。
「そうなの?」
「そうよ!」
ユキ姉ちゃんも赤い顔したまま言った。
「でも....お若いのに、ちゃんとしてらっしゃるのね!!」
「そんな事ないですよ....まだまだわからない事ばかりで....なっ?」
ヒロ兄ちゃんはユキ姉ちゃんのほうを見た。
「ええ。」
ユキ姉ちゃんが頷いた。
「そんな事ないよ!うちの子なんか孫を甘やかしてばかりで....」
お婆さんが悲しいそうに言った。
「それに比べてお二人は、うちの子より若いのにちゃんと子供を躾ていらっしゃる。ねぇお爺さん?」
「ああ!その通り!」
お爺さんは大きく頷いた。ヒロ兄ちゃんもユキ姉ちゃんも照れくさそうに下を向いていた。



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