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てき屋のマコ
【コメディ 官能小説】

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てき屋のマコラスト-1

夏の終わりのハーモニー


8月も終わりに近づいたが…。
依然として騒がしく夏の日を過ごすマコとナンシー。
夜は仲良くなり、昼間は誠司を巡って火花を散らす日々を繰り返していた。

8月最後の日曜日も終わり。
金色にギラギラしていた太陽も今は。
オレンジ色に変わったその大きな円形を水平線の彼方に少しずつ沈め始めていた。

渚まで降り立ってその様子を見つめるマコとナンシー。
人影も疎らになった砂浜には二人の長い影が伸びている。

「綺麗な夕陽でやんすねぇ…」
夕陽に照らされたナンシー。
目を細めて、その夕陽を見つめている。

「あぁ…綺麗だな…」
ナンシーに肩を並べて、やはり夕陽を見つめるマコ。

二人は海からの風に髪をたなびかせ、潮の匂いを胸に吸い込んでいる。
いつになく感傷的な2人だが今日は仕方ないかもしれない。
商売がらマコやナンシー、そして誠司も。
夏が終われば鵠ケ浜の海岸を後にする。
また来年があるが…。
それでも長いお別れになる。
元々他人よりも感情豊かなマコとナンシー、感傷的になるなと言う方が無理な話だった。

「けっきょく…今年も決着がつかなかったな…」
マコはどうやら誠司の事を言っているようだ。

「そーでやんすねぇ」
ナンシーもマコの言葉を直ぐに理解しているようだ。

「まぁ…いっか!」

「いいでやんすね!」

ニッと笑い合うとそのまま黙り込む二人。
なんだかんだ言ってもマコとナンシー。
今の状況を誰よりも望んでいる。
その事は二人とも心の奥底でちゃんと判っていた。
だから…。

「ナンシー!」
とびっきりの笑顔でナンシーの首をネックロックのように押さえ込むマコ。

「わぁぁぁ!マコさん!」
首を押さえつけられても嬉しそう笑っているナンシー。
そしてマコの手を振りほどくと…。
バシャバシャと波打ち際に駆け込んで行く。
そして…。
「マコさん!それぇ!」
子供のようなハシャギっぷりで両手ですくった波をマコにかける。

「わっ!おまえ!」
顔や身体に波を浴びるマコ。
それでも子供のような笑顔でマコも波打ち際に駆け込んでゆく。
「おら!おら!」
嬉しそうな声を上げてナンシーに海水をかけ返すマコ。

「やったでやんすねぇぇ!」

「おら!おら!どうだ!」

キャーキャーと嬌声を上げて波をすくい、かけ合うマコとナンシー。

頭から海水を浴びてTシャツもハーフパンツのずぶ濡れのマコとナンシー。
それでも太陽の様に弾けるような笑顔のマコ。
そして無邪気にハシャギ回るナンシー。


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