玲子お姉様と私【再会】-1
電車を2回程乗り換え、駅に着いたのは10時55分。
ギリギリ間に合った事にほっと胸をなで下ろしながら、冗談を含んだ声色で最後に言われた【お仕置き】という響きをふと思い出した梨華は、西口の待ち合わせによく使われる銅像に寄りかかりながら、それについて想像を膨らませていた。
…玲子さんの口から【お仕置き】なんて、えっちすぎるよね…///
どんなお仕置きされるのかなぁ…//?
限界まで扱かれて、イキそうになったらおあずけとか…?///
逆にイかされまくって、嫌だって言っても許してもらえないとか…?//
いいって言われるまでご奉仕とか…?
それはでも、ご褒美か…//
妄想を膨らませると同時に膨らむ場所がひとつ。
しかし、今日の梨華は念入りに下着の上にふたなり専用のガードルのような、締め付け機能が下着よりかなりしっかりした物をつけている為、ある程度の刺激までは何の変化も見られないよう工夫していた。
妄想も一通り終わった頃、突然声を掛けられて振り返ると正装をした初老の男性がそこに立ち、玲子の車まで案内すると言われ面食らいながらついて行く。
『…え?』
駅から少し離れた場所に止められたアーティックホワイトの車は、あの有名なロールスロイスファントム。
丹念に磨き上げられた車体が、太陽の光に照らされて眩しい程にキラキラと光輝き、真っ直ぐに引かれた一本のラインと、ロールスロイスのシンボルでもあるフライングレディが誇らしげに前方の中心に位置するのを目にした梨華は、そこでようやくこの車がロールスロイスだということに気がついて、思わず本音をもらす。
『ま…、まぢ高級すぎるんですけど…』
初老の男性が穏やかな笑みを浮かべながら後方のドアを開けると、ブラックでまとめられたシックな内装と同時に視界に入る、グラマラスボディ。
『こんにちは。時間通りね、入って』
整った顔立ちに浮かぶ微笑みに赤面しながら、人生初めてのロールスロイスに緊張も相まってぎこちなく隣に座ると、玲子は車を出すように指示してからゆっくりとした動作で梨華を見た。