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七ノ森学園♂♀騒乱記 -咲けよ草花、春爛漫-
【性転換/フタナリ 官能小説】

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-咲けよ草花、春爛漫--11

熱いシャワーを頭から浴びれば、身体も気分もすっきりした。
タオルでがしがしと濡れた髪を拭きながら、俺は冷えたミネラルウォーターで喉を潤す。
まったく怒涛の半年だった。
女としての生活、寮での生活。何もかもが初めてで、戸惑うことばかり。
俺は今でも考える。もしあの時、酒を飲んで騒がなかったら。文藝研に入らなかったら。学園祭で文藝研のブースを覗かなかったら――。
文藝研に入ったのがそもそもの原因なのだと思っているが、一概に文藝研の皆を責めるわけにはいかないだろう。女になってしまったのが、御形先輩のいうとおり俺の素っ裸での狂乱のせいなら、酒を飲んだ俺が悪い。
……あれ、でも酒を飲ませたのは先輩達で、境内という場所を選んだのも先輩……おいおい、結局文藝研が悪いんじゃねーか!

――けれど。

ヴーヴー、と着信を知らせる携帯のバイブが鳴った。
「はい、芹沢っす」
『あ、ミハルちゃーん。御形だよー』
「何すか、先輩?」
『さっき尾花ちゃんからお菓子もらったんだー、俺の部屋に集まって食べようよー』
こういう寮生活ってのは、きっと女にならなかったらなかったことだろう。
「いいっすね。俺、この前の部活の時に開けたあたりめまだ持ってますよ」
こういう気の置けない先輩との交流ってのも、文藝研に入らなかったら得られなかったものだ。
『それじゃー、あたりめ持って俺の部屋まできてねー。あと、ノーブラで来てって同室のフッキーがー』
後ろでノーブラ! ノーブラ! とコールする先輩達の声が聞こえる。
「それはお断りします」
俺はにこやかだが断固として拒否し携帯を切る。
パクン、と携帯を閉じてやれやれと溜息をつくが、口元は綻んだ。
女になった生活。楽しいことが多いのも事実なんだ。
プラスマイナスゼロ、ってところだろうか。
「そんじゃ、行きますか」
俺はクリップで口を留めたあたりめの袋と、ミネラルウォーターのペットボトルを手に、御形先輩の部屋へと向かった。


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