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七ノ森学園♂♀騒乱記 -咲けよ草花、春爛漫-
【性転換/フタナリ 官能小説】

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-咲けよ草花、春爛漫--10

5. 新たなる生活へようこそ

男子寮と女子寮はそれぞれ別の棟だが、どの階にも非常用通路が設けられており、その名の通り非常時のみに開かれる仕様になっていた。
だが、俺のおかげ――せい?――で現在三階の非常用通路のシャッターは開いた状態だ。
だからといって勝手に通行できるわけではないのだが、男衆からは異様に感謝された。うーん、なんて単純な奴等。

この姿になった時、そして寮で暮らすことを決めた時、すごく悩んだ問題がある。
それは、男子寮と女子寮、どちらの部屋を使えばよいのかということだ。小日向や藤村副部長をはじめ、女子達は女子寮を使えばよいと提案してくれたが、俺の精神はあくまで男だ。
いくら部屋が違うとはいえ、大浴場帰りの女の子を見てムラムラ来ないわけがない。それに、彼女達が気にしないといったって、元男が女子寮にいるのに抵抗のある子だって中にはいるだろう。
そういった理由で俺は男子寮を選んだのだが。

「ミハルちゃん、せっかく二年になったんだし大浴場行こうぜー」
「誰がミハルだ! せっかくってなんだよ、ふざけんな」
男子寮暮らしをする野郎どものセクハラは日常茶飯事だ。
今日も今日とてそんな言葉を吐きつつ、ぺろんとケツを触ってくる奴がいる。
俺は男だと言っているのに、鈴代と同じく七ノ森の男共はすっかり俺を女扱いしやがる。
男がいきなり女になったら普通は気持ち悪いだろうに。七ノ森の生徒の気質なんだろうか、妙な順応性のよさに呆れるも感心する。俺としては助かっている部分も大きい。
しかし女扱いといっても、こういうセクハラに抗議したって「男なんだろ?」で返されてしまうからタチが悪い。
そんなわけだから、“万一間違いが起こりそうになった際にすぐに女子寮へ逃げ込めるよう”、俺の部屋のある三階の非常用通路は、他の階と違い開かれているのだ。

(大浴場だって? 行ったら犯されるだろ)
自分でそう思い、鳥肌が立った。しかし、先程の鈴代との行為を思い出し――
(あれは嫌だっていうより)
正直感じてしまっていた。
そりゃ、こんな身体になったって自慰はする。ぶっちゃけていえば、自慰は男の時よか気持ちいい。だが、今日のアレは普段のソレよりずっと気持ちがよかった。
(あいつ上手いんだな)
耳元で囁かれた声を思い出し、ぞくりとする。そしてそんなことを考えてしまう自分に嫌悪した。
「くそー、このままじゃマジに女になっちまう」
童貞より先に処女喪失なんて勘弁だ。
握り締めた拳を廊下の壁に叩きつけて八つ当たりする。
「壁が可哀想だよー、ミハルちゃん」
「ヨシハルっす、御形先輩。先輩達は風呂帰り?」
間延びした声に振り向くと、御形先輩が相変わらずへらっとした笑みを浮かべながら立っていた。その後ろには田平先輩の姿。二人共少しばかり濡れた髪とタオルと着替えを持っているところから、浴場帰りであろうことが予想された。
「うん、そうだよー。明日からいよいよ新歓始まるねぇ、頑張ろうねー」
「俺は生徒会でほとんど参加できないからな。昭平とお前達二年に任せた」
御形先輩が俺と田平先輩とに視線を向けながら言うと、田平先輩は表情を変えずにそう言って再び歩き出す。これが先輩の性格だと分かっていても、冷たいなと思ってしまう。
「だってさー。じゃ、またねー」
そしてそんな田平先輩のドライさなど意に介さない御形先輩に尊敬しつつ、俺は二人を見送った。

「そうか、明日から新歓か」
文藝研に入って半年。途中から入部したこともあって、自分が先輩になるという自覚はあまりない。
ただそういえば明日のために色々と準備はしていたんだっけ。今日のあいつのせいですっかり忘れていたけれど。
(ったく。鈴代が寮生でなくてよかったぜ)
改めてそう思うと同時に、疼くあそこに嫌になる。
シャワーでも浴びて忘れちまおう。俺は部屋の扉をロックし、服を脱ぎながら明かりをつけた。六畳一間の個室はこの時期なかなか快適だが、エアコンがないため冬は地獄だ。夏もきっと地獄なんだろうなと思いながら脱いだ下着を洗濯カゴに放り込んだ。



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