5・好きと勝負と苦しい胸-4
「ちょっと雅、落ち着いてよ。まだやるなんて言ってないでしょう?」
「意地悪するなよ。俺、もう昨日何回も自分でしちゃって、でも全然おさまらなかったんだ。まりなとするしか鎮める方法が無いんだよ、だから頼む・・・苦しいよ・・・」
雅は苦しそうに息を深く吐いている。
何だかんだでする口実を作りたいんだろうけど、演技にしては大袈裟だ。
したいのに出来ないっていうのは辛いよね・・・・・
理由も無くやるのは嫌だったけど、雅を助けるっていう立派な理由がある。
「・・・分かった。でも、ちょっと待って。昨日お風呂入ってないのよ、少しだけ待ってて」
「お、俺は大丈夫だけど・・・分かった、待つよ・・・・」
口ではそう言ってたけど、雅は私より早く服を脱いで全裸になってしまった。
早くしろっていう雅なりの催促なのね、きっと。
あまり雅の裸って見た事無いから驚いたけど・・・・でも、可愛いところもあるのね。
雅のそれはもうガチガチになってて、だらしなくヨダレを垂れ流していた。
小さいくせしてしっかり先端が剥き出しになっている。
「・・・?!」
「まりな、どうしたんだ変な顔して。俺のチンコなんて見慣れてるだろ」
「いや、違う、何それ」
よく見れば明らかに怪しい紙袋をぶら下げている。
中に良からぬ物を仕込んでいそうで、不安になった。
「知りたいか、まりな。まあ焦るなよ、変なものは入ってねえから安心しろ」
「・・・・あんたのそういう言葉は宛てにならないのよ」
「まりな、俺と勝負しようぜ」
「えっ?」
み、雅、何を言い出すの。
「どっちが先にいっちまうか、勝負しよう。まあ、俺は負けねえけどな」
私は胃が縮まる思いをしながらその申し出を聞いた。
普段も全く抵抗できずにやられちゃってるのに、雅より堪えられる自信が無かったからだ。
そんなの承諾するつもりは無い。
したくもない。お願い、あわよくば帰って欲しい・・・
「駄目っ!そんなの許さないわよ雅。いきなりうちに来て何を言ってるの!」
「静かにしろ、まりな。悪いけどこう見えてマジだぞ・・・!」
「ちょっ・・・ちょっとぉっ!駄目よ雅、離して・・・あうっ!」
雅は紙袋から取り出した手錠を見せてニヤリとし、それで私の両手を後ろに結んでしまった。
そのまま体を持ち上げられて運ばれ、ソファーの上に脚を開いた体勢で座らせられてしまう。
雅が私に勝負しようと持ちかけてからこうなるまで、僅か1分足らずの出来事だった。
突然やってきた雅に、私はまんまと拘束されてしまったのだ。
「へっへっへっ、ちょっとやばいな。俺、もう興奮してきちまったみてえだ」
「み・・・雅っ・・・!」
「・・・もうこんなになっちまってる、へへっ」
アーティストらしくないグロテスクな形状のそれは、別の生物みたいに不気味に脈動していた。