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留守番の夜
【兄妹相姦 官能小説】

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盛春の一週間-10

〜水曜日の空虚〜

冷静になって考えてみても、片桐に無視される覚えは無い。
だいたい、片桐は俺に脅されてるはずなのに、何シカトこいてんだよ。

「…おい、片桐」

何度か、こっそり声をかけた。
しかし、目も合わせずに、ぴゅーっと友達のところへ逃げて行く。
みんなの前じゃ、俺だって何もできない。

《無題
:何シカトしてんだよ、写メばら撒くぞ》
脅してもスカしても、メールの返事も無い。
ここ一ヶ月、一日に何度かは目が合って、薄くはにかんだ色を見せていたのに、今日は俺に目もくれない。

イラつきは増していくが、訳が分からなくちゃ、何もできねぇし…。
まったく、何、この虚しさ?
こんなのは俺の性分に合わず、ウザい三池をかわしながら、バスケで鬱憤を晴らした。
しかし、それもムダな努力で。
帰り道、遠くで春雷が聞こえたかと思うと、あっと言う間に降りはじめ、濡れネズミになった俺は、すっかり意気消沈してしまった。


〜木曜日の無意識〜

「風間ぁ、太田ぁ、プリント頼むな!」

俺は、同じ日直の女子とともに、先生に仕事を頼まれた。
しかし、なぜかその女子が冷たい。
ソイツは、おととい一年のサッカー小僧と三池とに、黄色い声を出してたヤツだ。
まさか、バスケ部の試合に来るなって言ったから、俺にこんな態度取るワケ?

まぁ、よく知らない女子の態度なんかどうでも良かった。
問題は片桐だ。
今日も廊下で話しかける機会を狙ったのに、一歩近付いたとたんに、ダッシュで女子トイレに逃げられて、予鈴まで出てきやしなかった。
相変わらずメールの返事も来ていない。
くっそ、マジであの写メ流してやろうか。
…そうなったら、片桐は俺に泣きついてくるだろうか。

そこまで考えて、俺はバカバカしくなった。
まだ、片桐に無視されて二日だ。
機嫌悪いのだって、生理なのかもしんねぇじゃん。
生理だと機嫌悪くなる、って聞いたことあるし。
土日で頭を冷やせば、少しは自分が脅されてる身だってこと、思い出すかもしれねぇしな。

でもやっぱり、逃げられたり、目も合わされないのは、なんだか苦しかった。
今までが、そうじゃなかったから。
そうなると余計、片桐の体が恋しくなる。
あ、恋しいっていうのは、恋じゃねぇぞ?
でも…アイツの声が聞きたい、抱きたい。
できないと思うと、…アイツにキスしたくなるんだ。
俺の目線はしょっちゅう、無意識に片桐の方を向いていた。
それに、なんだか寒いのは…花冷えだからだ、別に、淋しいからなんかじゃねぇからな!


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