てき屋のマコ5-5
「ど…ども…」
後頭部を押さえながらペコペコと頭を突き出すマコ。
「ウフフッ…この前はありがとうございました」
クスクスを笑うマドカ、瞳をキラキラ輝かせている。
「いらしっいませ」
ウエイトレスが水を運んで来ると…。
「ご注文は?」
ニッコリと微笑みかけた。
「ご…ご…ご…ご注文でございますか」
客商売をやっていながらも…極度に緊張しぃのマコだ。
「ご…ご…ご注文はアイスホット…コーヒーでお願いしまする」
なんとも妙なマコの注文。
顔を伏せ…クスクスと笑っているマドカ。
ウエイトレスさんもお盆で顔を隠しクスクスと笑っている。
そして…。
「冷たいのと…温かいの…どちらにしますか?」
非常に大人の対応を見せている。
「はぁっ!?つ…冷たい方で」
全く自分の間違いに気づいてないマコ。
「かしこまりました」
微笑みを湛え、どこまでも大人のウエイトレス。
「マコさん…またお会い出来てうれしいです」
ニコニコとマコに話しかけるマドカ。
マドカもある意味、マコより大人の様だ。
「マ…マドカ…ちゃん…どうも…あの…お元気そうで…なによりです!」
緊張はしているものの精一杯の笑顔をマドカに向けるマコ。
しかし…なかなか本題は切り出せそうにない。
「マコさん…パトロールご苦労さまです」
ニコニコと笑ったままのマドカ。
「いっ!?」
間抜けな顔でマドカを見つめ返すマコ。
「友達に聞きました…海岸をパトロールしているヤンキーのお姉さんがいるって」
「あは!?どうも」
ペコペコと頭を出してるマコ。
「もしかして…犯人捕まったんですか?」
マドカの顔がパッと輝く。
「え…えぇ…ままぁ」
全く煮え切らないマコ。
「マコさん、私に出来る事は何でも協力しますよ」
真顔になったマドカ。
マコの用件をお見通しといった感じであった。
マコとマドカはカラオケボックスに来ていた。
マドカはマコの頼みを聞き。
警察で証言する事、必要なら被害届けを出す事を快諾した。
そのかわり…。
「今日はこの後、デートして下さい」
マドカはそうマコに笑いかけてきた。