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てき屋のマコ
【コメディ 官能小説】

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てき屋のマコ5-2

「おぅ!ちょっと待ってでやんスよ」
溌剌と両手のヘラを奮いだすナンシー。

「ジュース…持ってきな!サービスだよ」
ニコッと笑ってクーラーボックスの中からジュースを取り出して…女の子たちに渡してゆくマコ。

「ありがとう!おばさん」
ひときわ小柄でフリルつきの水着の女の子が平然と言ってのけてきた。

「お…ばっ!」
マコの額の脇がピクピクと震える。

「ぷっ…」
お好み焼きを焼いているナンシーの目は嬉しそうに泳いでいる。

「こら…カオ……ありがとう♪綺麗なお姉さん♪」
そのグループの中で背が高く、ひときわ胸の大きな女の子が小声で小柄なフリルの子をたしなめ。
弾む声でマコの機嫌を取ってくる。

「そ…そうかい!ナンシー!バカ!お嬢様方のは目玉、豚はダブルだろ!」
…と一瞬で無常の笑みを浮かべるマコ。
簡単に機嫌を取られるマコであった。


その時だった。
待てぇぇ―――!!
遠くの方で誠司の怒鳴る声が。
ハッと顔を上げるマコとナンシー。
見ると誠司が砂浜の方からこっちに方に向かって誰かを追いかけている。

「マコさん!あれ!」
ナンシーがヘラを動かす手を止める。

「おう!」
出店を飛び出したマコ。
ナンシーもついて出てくる。

呆気に取られてる四人の女子中学生。

その女子中学生に向かってマコが。
「お嬢ちゃん達…ワリぃ!直ぐに戻るから店を見ていてくんねぇか!」
そう言うと答えも聞かずに走りだしていた。
もちろんナンシーも。


誠司に追われた怪しげな風体の男が駆けてくる。

なになに!!
きゃ―――!

サングラスをかけて、ナイフを手にしたその男に周り人々は道を空け…遠回しに成り行きを見守っている。

「こら!てめぇ!!」

「ぶっとばすでヤンス!!」

その人だかりの中から。
不審者の眼前にマコとナンシーが躍り出た。

「くそっ…」
慌てて足を止めた不審者がマコたちに向けてナイフを構える。

「このぉ!スットコドッコイ!!そんなでビビるか!」
不審者の方にズイッと進みでるマコ。

「そ…そうでがんすよ!!」
ナンシーの腰はやや引けているが…。
そのナンシー。
不意にしゃがむと砂浜の砂をバサっと不審者目掛けてかける。


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