黒い看護婦９-3
考えに考え。
「んこ…」
本当は“う”だけど、これでどうだろうって感じ。
……って。
「こかぁ！こ…こ…？」
樹里さん真剣に考えてるの！？
やばいよ…樹里さん。
可愛すぎ。
「子供のちんこ！」
「………」
『○○の○○』って…。
まぁ元々ルール無視のシリトリだからいいや。
「恋」
ルールより、もちろん僕は楽しさ優先。
なんか樹里さんも楽しそう。
「犬のちんこ！」
「………」
しかし何で『犬』で終わらせないんだろう？
まぁいいか。
「恋人」
「となりのおっさんのちんこ！」
ケラケラと笑う樹里さん。
「恋しい樹里さん」
僕もルール無視。
けど…。
「ンがついたらダメなんだぞ！あと何とかの何とかも！」
え…ええっ！？
知ってたの！？って感じの樹里さんの言葉。
でも…。
「すいません……じゃあ…『恋しい』」
すごすごと引き下がる僕。
そんな僕を意地悪そうに笑いながら見つめる樹里さん。
そして…。
「犬のペニス！」
どんだけ…ちんこ好きなんだよって感じだけど…。
きたぁぁぁ！“ス”。
僕は満面の笑みで樹里さんを見つめると…。
「好き…」
渾身の一声。
その言葉にニタァァって笑う樹里さん。
そして…ゆっくりと。
「キスすっか」
えっ！！一気に上がる僕のボルテージ。
「ま！まじっスかぁ！」
舞い上がり気味の僕。
「はい！ブ―――！」
わっ！ブ―――！ってやってる樹里さんの変顔。
眉をギュッと上げて唇を超タラコ唇にして、ひしゃげさせて。
物凄ぉくブチャイクだけど…。
なんか…なんか…息が止まる程可愛い。
でも…。
「ブ―――！って…キスは？」
探る様な頼りげのない僕の瞳。
「“か”で繋がなかったから…ダメェェェ！」
心底楽しそうな樹里さん。
「そんなぁ！！」
思いっきりイジケる僕。
次の瞬間。
チュッ――。
わっ！樹里さんの不意討ちキスだ！
ちょっと…ぶつかって来る感じで。
唇…ちょっと痛いけど。
メチャクチャ幸せな気分だった。
お医者さんが来て診察となった。
「はい…大丈夫ですね、これからは廊下を歩く時は注意して下さいね」
診察も終わりかけ。
僕に注意を促すおじさんの先生。
その時、樹里さんは。
「ピッピッピ♪ピピ♪ピッピピ♪」
頭の後ろで手を組んで明後日の方を見ながら口笛吹いてる。
絵に描いた様なスットボケ方だけど。
やたら可愛いなぁ。
「は…はい…気をつけます」
結局、僕はそう答えて病棟に戻る事となった。