美羽23歳-7
身なりを整えて、改めて男を見る。
…思ってたよりも、恰好いいかも…。
こん所で美羽を襲わなくてもいくらでも相手がいそうなのに。
「…どうして…」
美羽は口を開いた。
男は、
「…彼女に浮気されて、別れたばかりなんだ。俺、ここの寝台で」
と、美羽の向かいの寝台を指差す。
「ちょっとカーテン開いてたから好奇心で覗いてみたら…。気分は最悪だったし…我慢出来なかった。君のせいじゃないのに、ごめん…」
うなだれる男を見て、美羽は奇妙な巡り会わせに驚いていた。
何の偶然だろうか?
「…もういいよ、気持ちよかったし。他の人にしないって約束してくれるなら」
男は驚いたように美羽を見る。
「名前、教えてくれる?私、美羽っていうの。あなたは?」
「…俺は…」
男の話を聞きながら、美羽は何かが始まるような予感がしていた。