雨の半休日-7
「…この間は、本当に悪かった。
謝るよ。
…―でもな、オレは、後悔はしてないんだ。
もちろん、兄妹でするのは、ヘンだってことは分かってる。
だけど、オレの、あの時したくなった気持ちは、浮ついたモンじゃなかったから。
お前を傷付けたかもしれないけど、大切にしたい気持ちは、確かにあるんだ。
お前は、オレの一番近い存在だから」
「…」
…答えられない。
なんて言っていいか、分からない。
だって。
他にも、オンナ連れてんじゃん。
お互い恋愛感情が無いことくらい、しっかり感じるじゃん。
なのに、大切にしたいとか、後悔は無いとか言うの?
「オレの気持ち、信じられない?」
困ったように、ふっ、と笑ってアニキは言った。
「まぁ、オレだって、半分信じられないよ、こんな気持ちになるなんて。
…さっきはつい怒鳴っちまったけど、今はまた…目の前のお前に、触れたくなってるんだ」
「!?」
…―それって…?
「…でもさ、オレ、今、勃ってんじゃん?
だけど、ガマンしてんの、お前に触れること。
ちゃんと、お前からも求められたいから。
お前の気持ちは、大事にしたいんだ」
そう言ってアニキは…
あたしの両肩に置いた手をすっと移動させて、そのままあたしの後頭部に。
そしてちょっと強引に…
ちゅっ。
「…お前さえ良かったら…
よく自分の気持ち、確認してみて。
じゃ…先にあがるから。
…オレの部屋で待ってる」
…これって…
また、ってコト…だよね…!?
曖昧なコトバに反して、強引なキス。
きっと、あたしがソレに弱いって、知っててやってるんじゃない?
固まったあたしを前に、軽くシャワーをかけると、アニキはお風呂場を出て行った。