雨の半休日-12
「…やっ…やだ!」
ありえない。
恥ずかしすぎて死ぬ!
「いやだ、は、禁止。
あ、無理もダメも、禁止ね」
「〜〜っ!」
「あはは、言葉になってねーし。
ん?これも、"沈黙の肯定"か?」
違うったら!
さっきまでの"優しいお兄ちゃん"はどこに行ったの?
サラサラの前髪と、その下の鋭い目とのギャップが変だよ!?
「だーいじょーぶ。
オレが手伝ったげるから。
ほら、豪華オナニーだと思えば」
…豪華…?
なにそれっ。
拒否の言葉を封じられ、もちろん頷くことだってできない。
おねだりなんて、もっての他!
恥ずかしいのはもちろんだけど、そもそもあたしは、恋人みたいに甘くはなれない。
「亜紀子、顔あげて」
お兄ちゃんは、いつもはぶっきらぼうだけど。
…―ちゅっ
エッチの時は、優しい…けど、いじわる。
でも、その加減が気持ち良くって、さすが、なんて思えちゃう。
「あ〜こ?
気持ち良くなりたいだろ?」
そして、そんな手練手管に、結局言いなりになっちゃう。
…―ちゅっ…れろっ
「っぁ!」
おでこから耳を経由して、首すじ、鎖骨…
「っ!…ひぁっ、お兄ちゃっ、や、んっあ!」
昔からずっと、そうだった。
悪いコトを教えてくれるのは、いつもお兄ちゃん。
おいしい実がなる公園の木も。
お夕飯前のつまみ食いも。
最初は拒否するけど、結局いつも言いなりになってた。
…はらり、とバスタオルが剥がされる。
断固拒否しなきゃ!ってキモチも、心から剥がされる。