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ホテルノヒカリ
【OL/お姉さん 官能小説】

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ホテルノヒカリラスト-2

フッと目を開けると全然見た事のない部屋だった。
「大丈夫ですか?」
ん?白衣の女の人?
歯医者さん…じゃないよね。
ナースさん!?
「ん?」
神社で朝を迎えた辺りまでは憶えていた。
けど…その先の記憶がない。
此処は病院なの?
「はぁ!」
私は慌てて身を起こした。
「だめですよ!安静にしてないと」
ナースさんが私を寝かせつける。
「あの!あの!携帯!私の携帯」
私は携帯を探し求めた。
「貴女が此処に運び込まれた時には持っていませんでしたよ」
ナースさんが気の毒そうに言ってきた。
「わ…私…どうしたの?」
携帯はなくなってるは…訳は判らないはで私は半べそになってナースさんに尋ねた。
「神社で倒れているところを発見されて…この病院に運ばれてきたの」
ナースさんの言葉はすっごく優しいけど…。
士郎さんは!?士郎さんは無事なの?
そうだ!テレビは?テレビのニュースで流れてないかな!
「あの…日本人がアメリカで撃たれたってニュースやってないですか!?」
私の言葉にナースさんが優しく微笑みながら顔を横に振った。

翌日退院した私。
一旦家に戻り財布を取って携帯のショップに駆け込んだ。
けど…本体を失くしてしまった以上はデータの引継ぎはおろか番号すら変わってしまうとの事だった。
仕方なく新しい携帯で士郎さんに電話するけど…。
圏外だよぉ。
神社に落ちてないかなぁ。
探し回ったけど…携帯は落ちてなかった。
仕方ない。
私はトボトボと家に戻ると会社に携帯を失くした旨と。
病院に担ぎ込まれた旨を伝えた。
電話に出た上司はいつになく優しく二、三日ゆっくり休めって言ってくれた。
私はその優しさが沁みちゃって…電話しながらボロボロと泣き出していた。
そして眠れないまま夜は更けていった。

起きても何にも手につかず居間に座り込んでボォォォとしていた。
相変わらず士郎さんの携帯は繋がんないし。
涙腺の中に涙が溜まると。
また涙が溢れてきて。
枯れるとため息が漏れてきて。
それの繰り返しだった。
「はぁぁぁ…士郎さん…」
私が呟いた時だった。
「美沙さん!」
うそ!うそ!!うそ!!!
玄関から!玄関から!!
うそ!!
私は玄関に走った。
士郎さんだ!士郎さんが立ってる!
「し!士郎さん!!」
左手を三角巾で吊った士郎さんが微笑んでる。
良かった!良かった!良かった!
でも…でも…。
「う…う…うあぁぁぁぁぁん!」
私の中にまだこんなに涙が残っているのかと思えるくらいの大泣きだった。
泣きながら士郎さんに近づこうとしたら…。
玄関のカマチを踏み外した。
スポッて士郎さんの胸に収まったけど。
「い!いてぇぇぇ!」
やば!士郎さん…本気で痛がってる。
「あぁぁぁ!ご…ごめんなさい!」
私は涙でグショグショになった顔で士郎さんを見上げた。
「俺こそ…ごめん…心配かけて」
見下ろす士郎さんの目も涙に潤んでいる。
「でもね…」
「な…なあに?」
私は涙でグスグス。
「俺…凄い人を暴漢から守ったんだ」
「凄い人って…だあれ?」
「まだ秘密…」
そう言うと士郎さんの唇が私の唇に重なってきた。
あぁぁぁぁ!良かった!本当に良かった!
私は安堵の涙を流し続けながら士郎さんの唇を貪り続けた。


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