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『武骨くんと鎖骨ちゃん』
【フェチ/マニア 官能小説】

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『ツンデレちゃんと硬派くん』-4

午後はまさしく真夏の暑さで、グラウンド上には朝の雨の跡は一滴も無い。
いくらか湿気の残る木陰で、マネージャーの二人はまた飲み物を並べていた。

お昼ごはんを食べ終わると、洸太郎はすっかり元の無口で無愛想な人間に戻ってしまった。
だからか、誰も二人の間に起きたことには気付いていない。

しかし、李湖は洸太郎が気になって仕方ない。
サナに気付かれない程度にチラチラ見やり、
そのくせ、目が合うと、しゅばっ!と音が立つほどに反らす。
つい、李湖、と呼ぶ洸太郎の声や、熱い吐息を思い出してはほおを染めて。
何よりも目を奪われる、あの武骨な指に、快感の記憶に勝手に体が震えてしまう。

洸太郎も、練習に集中しようとしたが、今日はコントロールが散々だった。
投げようとする瞬間に、脳裏に李湖のあられもない姿が浮かび、つるっと指先が狂う。
雨で午前中が休みになって、本当に良かったと思う。
あれで体力を回復していなかったら、ケガでもしていたかもしれない。
それでも、李湖の「またシてくれる?」というおねだりをふと思い出しては、またもコントロールを乱すのだった。


――夕方。

李湖は自らの妄想のせいで、すっかり"できあがって"いた。
夏の暑さ以上にほおは上気しているし、そのうえ体中が敏感になっている。
下着は、早く帰って取り替えたいほどに濡れてしまっていた。

洸太郎もまた、宿に戻る道すがら、自分のぎらぎらとした欲望が表に漏れ出ていないか、心配になっていた。
練習中は、顔に出ない程度には、ボールに集中できていたつもりだが…。
これから大浴場で汗を流すのに、勃たせているわけにはいかない。
明日も練習があるし、今晩も宴会だが、酒は控えめにして早く寝よう、と心に誓うのだった。


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