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ユメマボロシ
【ボーイズ 恋愛小説】

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ユメマボロシ-4

あれを聞くと、安心できるんだ。
もっと、俺の名を呼んで。俺を求めてよ。
ユウに、必要とされていたいんだ。
もっと、もっと、だよ。
俺と同じ位、愛してくれなきゃ嫌だよ。
俺には、ユウが必要なんだ。
…ユウ…。
どうしよう。声が、聞こえないよ、ユウ。
どうして黙ってしまうんだ。
こっちを向いてくれよ。
ねぇ、ユウ。
…眠ってしまったの…?
そうか、それなら、仕方ないね…。
「…俺も、少し…眠ろうかな…」
俺は立ち上がり、洗面所を出た。
ユウの待っている部屋に向かった。
ドアの前で、バリバリと、目張りのテープを剥がす。
静かにドアを開け、冷たい空気の充満する部屋に入った。
ユウはぐっすりと、眠っているようだった。
ドアを閉じると、カーテンを閉め切った部屋の中は、暗闇に包まれた。
俺はおぼつかない足取りで、机に向かった。
手探りで、引き出しの中のナイフを取り出す。
それから、一枚一枚、洋服を脱いだ。
起きたらすぐに、ユウと愛し合いたかった。
ベッドへ向かい、ユウの隣に横たわった。
「おやすみ…、ユウ」
俺は、傍にあるユウの手を握った。
眼を閉じ、首筋にナイフを当て、構える。
俺達は、双子。
どこからどこまでも、一緒でなければいけない。
ユウにあるものは、俺の身体にも…。
俺は力を込めて、ナイフを滑らせた。
奇妙な水音が、耳の傍から聞こえる。
お願いだ、うるさくしないでくれ。
俺は眠りたいんだ。
夢が見たいんだ。
君の夢が、見られるといいな。
ねぇ、ユウ。
君は、俺の夢を見てくれてる……?



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