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脚本 月の船
【歴史物 官能小説】

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脚本 月の船-4

女「違わぁさ、さっきみたいに肌を寄せてさ…」

SE 水の音

女「それにしてもどこまで行くんだろねぇ
お前さんもこんな女に命をかけるなんざ…たいした事ないね」

男「そんなぁ…今、俺に残されたのは前にいる姐さんひとつじゃありませんか」

女「ヨタ言ってんじゃないよ!」

女はまた癇癪を起こすがにわかに表情を和らげる。

女「うふふ…たしかに違いないわ、ここにはあたいたち二人しかいないんだからね」

女は男の下の部分をきゅうっと握りしめた。

女「どうだい…このあたいを手込めにしてみるかい?」

男「姐さん…」

女「どうせ流れつくまで流れるしかないんだ
お前さんのイロにでも何にでもなってやってもいいって言ってんだよ」

SE 水の音

船は大きく揺れて、その中で絡み合う二人。

男は女の口に口をつけて乱れた髪を撫でつける。

蒼い月灯りの下で重ねた肌のぬくもりを紡ぎ合わせるように女の帯を解いて、直接肌を重ね合わせた。

柔らかな乳の感触。

恍惚とする甘い感覚。

月の灯りの下で二人を乗せた船は揺れながら、ただ漂う。

女「あぁ…は…ぁ…そんなに…
乳が恋しいかい?
まだまだ子供だね…」


男の手を取って自分の茂みの奥にある濡れた裂け目に押し付けると男はその柔らかさを無心に弄りながら白い乳を吸い続ける。

男の体の下で夜空を仰ぎ、譫言のように女は呟く。

女「ぬくもりが…欲しがったのさ…
ただそれだけさ…
主人や番頭に弄ばれるんじゃなく…
生きるために盗賊のイロに成り下がるんじゃなく…あぁ…
こうやってると…
やっと自分が欲しかったぬくもりに触れた気がするよ…」

男の手を乳にあて、女は男の口に唇をつけて起き上がり、静かにゆっくりと体を互い違いにする。

SE 水の音

船は大きく揺れて、波間浮かぶように上下する。

女の体を上にして、羽織ったままの着物の下で二人は互いの股間に顔を埋めて慰め合っている。

SE 波の音

静かな水面はいつしか白い波が打ち寄せて船を大きく揺らす

女「あぁっ…ぃ…
いぃ…」

静かにうねる波間に漏れだした女の媚声を放ちながら船は大きく揺れて月の海を漂う。

SE 水の音

漁師A(声)「おーい、何だありゃ?」

漁師B(声)「なんだぁ、人が乗ってるぞ」

M それから数日の後に相模の沖を通りかかった漁師の船が裸で抱き合う男女を乗せた小舟をみつけた。

この一件はすぐさま役所に申し届けられたが、あいにく村役所の方は奉行所の大捕物の件で駆り出されてまだ右往左往している最中だった。

漁村の村人の話によると、二人は辛うじて息があったとか、どちらかはすでに事切れていたとか曖昧な噂だけが人々の口に伝わったが、その後の事は定かではない。

なお、奉行所に残された[ 狐火の半蔵一味 ]に関する記録にはこうした関連記載は残されていなかった。


ー完ー


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