Crimson in the Darkness -邂逅-(side;lee)-2
『化け物』
色んな人に言われた。憎むように、穢いものを見るような顔で、たくさん言われた。
そして、お母さんもその一人だった。
いつもは優しくて、そんなこと言わないのに、時々人が変わったみたいにおれをキライだって、ケガラワシイって言っていた。
でも、本当だ。
今こうやって、血を舐めて、それを美味しいって感じてる。空腹じゃなくなっていく。
「やっぱり、化け物だ……」
おれは人間じゃないんだ。
そこでまた涙が溢れてきた。…………ここに居ちゃいけない。また、欲しくなるから。“動かない”“お母さん”の傍に居ちゃダメだ。
おれは部屋を飛び出して、アテもなくただひたすら走った。