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Crimson in the Darkness
【ファンタジー 恋愛小説】

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Crimson in the Darkness -決意-V-8

「時に『憎い』と言い、時に『愛してる』と言う。悪意のある言葉と愛情のある言葉。どちらも本当で愛する母親から投げ掛けられるには重たい言葉」



「…………」



「何故、憎まれるのか……解らない。一時前まで愛してると言っていた母親が豹変する様は理解出来なくて当然。それでも母親と共にヴァンパイアから逃げるために各地を転々とし、最後に流れ着いたのがこの国」





 本国とこの国は凄く遠い。本国の近くの国で生まれたと言うなら、かなりの移動距離になる。逃げながらなんて、なかなか出来ることじゃない。



 そして、リアナは真面目な表情になると口を開いた。





「貴方に出会う1ヶ月前、リーちゃんの母親は命を落としています」



「っ」





 そうじゃなきゃ、あいつが一人異国の地に居る方がおかしいんだ。





「“そう”見えないのは……見せないのはリーちゃんの気丈さ。12であの気丈さは……見ていて苦しいです」





 『甘えることを知らないみたいですね。煩わしく思わせないように気を遣う子供らしくない子』そんなことを呟くとリアナは口を閉じた。



 オレの言葉を待ってることくらい解る。でも、それこそ今更だろう。





「…………リーを傷付けたことは後悔してる。あんな風に声を上げて泣いてるの初めてだった……ずっと、忘れられない。でも、オレの力じゃ守りきれない」





 後悔の念だけがずっと胸にある。そして、リアナは小さな溜め息を吐く。




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