Crimson in the Darkness -決意-U-7
「ここに居続けたらリーは悪魔に堕ちる……。だけど……リアナは、リーの覚醒を止めたんじゃないのか? オレには出来ないのか?」
「あれはお前にも俺にも出来ない。リアナだけに与えられた力なんだ」
ユグドラシルと同じ“浄化の力”…………それは人間に与えられるものなのか……?
「…………なら、リーは本国に行くべきだ。オレの力じゃ守りきれないから」
「そうか。お前は行かないんだな」
冷静な声で言うヒューイの言葉にオレは静かに頷いた。
行かないんじゃない……行けない。
これ以上、あいつを泣かせたくない。オレのせいで悲しませたくないんだ。
*****
一度、陽が昇った夕方―――
リーはまだ目を覚まさない。が、リアナは目を覚ました。
リーの傍についていたオレにヒューイが安堵した顔で伝えに来てくれた。それから間もなくして、リアナから呼び出された。彼女がいる来賓室に向かえば、まだ具合が悪いのかベッドの上で座ってるリアナがいた。
そこで聞かされたリーの出生とあいつの母親の話。