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Crimson in the Darkness
【ファンタジー 恋愛小説】

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Crimson in the Darkness -決意-U-6

「俺は大切だから“失いたくない”。ただそれだけだ」



「……失いたくない…………」





 ヒューイの座る長椅子に腰を下ろして、頭を抱えた。暫くすると、小さな笑い声が聞こえてきた。





「鈍いんだな。でも、今はそんなコトを言ってる場合じゃない。リアナはもう判断を下している。それにお前が従えるかどうかが問題なんだ」





 つまり、それは……。





「連れて行くのか」





 小さな頷きと低い声で、ヒューイは肯定する。





「……ここでは何かと不便なんだ。守るにしても、覚醒を止めるにしても。こちらとしては聖樹……ユグドラシルの傍の方が都合が良い」



「ユグドラシル……か」





 国の象徴であり、正教会の“神”の化身とされる7本の大樹。いや、今は6本か。





「同郷のお前なら解るだろう? 聖樹の力は絶大だ。聖樹の聖域なら、半魔であるあの子が“人間(ひと)”であり続けることは可能だ。聖樹があの子の内側にある魔を浄化してくれる」





 …………確かにそうだ。ユグドラシルは魔を浄化し、清浄なものへと換えてくれる。




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