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Crimson in the Darkness
【ファンタジー 恋愛小説】

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Crimson in the Darkness -決意-U-3

「別に、興味ないですね。僕は元々この国生まれですから」





 サラッとそう言ってのけるシエルにオレも続けた。





「オレも興味ない。あの国に良い思いでなんざ無いからな。オレたち下っ端からすりゃ、あんたたち“女教皇(エイシェル)派”と“旧教皇派”の違いなんて紙一重だろ」





 そんなオレたちの言葉に驚いたらしく、リアナは目を丸めた。そして、可笑しそうに笑ってみせた。





「ふふっ 二人ともサッパリしてて良いですね。そうやって言い切ってくれると改革のしがいがありますよ」



「リアナ」





 後ろから一段と低い声が聞こえた。リアナはその声の主を見るなり顔をひきつらせ、オレが振り返り顔を見るとそいつは不機嫌そうに眉を寄せていた。





「ヒューイ………………怒ってる……よね……」





 怯えた声でそう言うリアナにヒューイは無言で歩み寄ると、腕を掴んでぐいっと引き寄せた。そして、自分の胸に凭れる様に抱え込むと、青い瞳を歪ませた。





「俺が機嫌良く帰ってくる理由が一つでもあったか?」



「……な、…ないかな……」





 じたばたともがきはするものの、まだ辛いのかリアナは弱い声で答えた。



 ヴァンパイアを投げ飛ばしたとは思えないくらい弱々しい抵抗しか見せないリアナが初めて“女”に見えた気がした。





「なら、今は大人しく休め。目を離すと無茶ばかりする。…………彼女から“水”を貰ってきた」





 右手のペットボトルを差し出され、リアナはそれを受け取るとホッとしたように息を吐いた。




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